# 一次調整力の条件付き約定試算

この計算は、公表集計に整合する競合札を仮定し、そこへ候補の一次調整力の札を加える参入試算です。公表実績の個札を復元したものではなく、実際の市場での落札率を検証したモデルでもありません。

## 売札から約定まで

売札の参考単価は、ガイドラインの適用条件を確認した逸失利益等、A/Bの一定額、別途配賦する起動費等、手数料から計算します。逸失利益の比較からΔkW容量収益を除き、別入力する費用を重複配賦しません。Aの0.33円は加算額であり、市場価格の下限ではありません。Bの分母は想定応札量であり、約定量ではありません。

公表集計からは、個々の札の価格、能力の組合せ、最小約定希望量や系統制約を一意に決められません。そこで、次の条件を満たす一つの競合モデルを選びます。

- 一次、二次①、二次②、三次①の能力を組み合わせた層を用意する。三次②は別市場なのでこの複合モデルへ含めない
- 層を使う費用は外枠能力へ一度だけ計上し、商品ごとに同じ設備の費用を重複加算しない
- 採択済みの層の数量・価格モーメントを公表集計へ合わせる。複合の各成分に同じ外枠単価が付くと仮定し、平均価格は約定量加重として扱う。CSVの厳密な価格配賦・重みを確認したものではない
- 応札時の能力集合が採択時の有効成分集合を包含すると仮定する。未落札側の量も応札集計へ合わせる
- 未落札札を高値側に置くのは、観測約定を基準最適解として再構成する仮定。実際には系統・最小量等の制約により安価な札も落ち得る。外枠約定のないコマでは、未落札価格を作る基準価格を0と仮置きする

基準需要には観測した約定量を置きます。これはTSOの公表募集量Qや物理必要量の推定ではありません。候補を入れる前に、元の採択集合が数量条件を満たし、最適解に含まれることを費用差でも検査します。同価格なら最適解は一つとは限りません。

## 候補の追加計算

最初の対象は、希望量と最小約定希望量がともに1MWの一次単独注文です。候補は不落札か全量約定の二択になります。競合層は連続分割できると仮定し、候補の注文下限との非対称性を残します。

日本時間の各30分コマで、候補なしの最小費用をC0、候補1MWを強制採択したときに必要な競合の最小費用をC1とします。C0・C1の単位は円/30分です。1MW＝1,000kWなので、候補単価pの費用はp×1,000円です。

- C1＋p×1,000がC0より小さい：このモデルでは候補を採択
- C1＋p×1,000がC0より大きい：このモデルでは候補を不採択
- 差が数値許容差内：同値として扱い、候補を優先するか後回しにするかを明示した仮定で選ぶ

候補なしでは数量条件を満たせず、候補ありで初めて成立する状態では、高い候補価格でも採択されます。これは不足や調達断念を許さない数量条件の帰結であり、実市場の約定保証ではありません。双方が実行不能なら、その数量条件の計算は成立しません。強制採択問題だけが実行不能なら、その数量・能力の仮定では不採択とします。ソルバーの失敗は不採択へ読み替えず、計算不能として表示します。同値時の候補優先・後回しは、実際の連系線本数や優先エリア等による同値処理を再現するものではなく、感度を確認する仮定です。

この比較はマルチプライスの各札の費用を最小化する模型です。最高採択価格を全量へ支払う計算ではありません。一次単独の算術対価は、候補の約定kW×min(p,10)です。円/ΔkW・30分の単価に、さらに0.5を掛けません。返還・追加精算・税・端数処理等は別途必要です。

## 地域・時期の条件

エリア別の試算では、電源属地別の競合を使い、エリア間融通を使わない条件を置きます。これにより一次の三つの調達範囲を跨ぐ融通と二次①のエリア外調達を行いません。一方、制度上可能な他の融通も省略するため、実際の広域調達を再現するものではありません。属地別の約定量を、同名TSOの需要へ読み替えません。

2026年9月1日の精算上限変更、10月1日の北海道・東北・東京における一次必要量見直しを区別します。初期の対象期間は10月1～9日の速報スナップショットです。取引結果の速報であり、実運用や発動量の履歴ではありません。9日分は9つの日標本であり、432個の独立した日ではありません。過去の初回公表版・改訂時刻を復元しておらず、厳密な予測時点検証や季節一巡の検証は行っていません。

## 確率と幅の意味

時間帯別頻度は、選択した競合・数量・同値処理の条件の下で、対象日を同じ重みで数えた値です。日単位の再標本化では48コマを一緒に取り出します。再標本化平均の分位幅は、この短い標本と再標本化方法に依存する感度であり、将来被覆率を検証した信頼区間ではありません。

ブラウザーで任意の運用計画へつなぐ合成経路を作る場合は、時間帯別の周辺分布に、利用者が選ぶ日内依存の仮定を加えます。係数rhoの一因子正規コピュラでは、各コマの標準正規値を sqrt(rho)×日共通因子＋sqrt(1−rho)×コマ固有因子とします。標準正規分布の累積確率を各コマの約定分布へ写像します。rhoは0以上1以下の潜在正規変数の相関であり、約定0/1の相関そのものではありません。実績9日から検証された推定値でもありません。合成経路は、日再標本化で保持する観測の日内依存を保存するものではありません。0は独立順位、1は同じ日共通順位という条件です。

構造仮定による差、同値処理による差、日再標本化の感度、合成経路の分位幅は分けて表示します。低・中・高のケースに任意の確率を付けて混合しません。公開するのは粗い集約応答と方法であり、元の価格・数量行、日別の応答列、再標本化インデックスは配信しません。

## 設備・収支への接続

同じSOC、PCS、連系点上限で48コマを連続検査します。一次の供出予約と卸売運用を同じ出力へ重複配分せず、発動・充電電力・補機と精算方式をそろえます。一次単独の発動kWh受取は加えません。ゼロ発動や一定の電力価格は、選んだ場合だけ仮定として使います。制約違反の経路を黙って捨てて収益分布をよく見せる処理は行いません。

年次集計は、日分布の定常性、運開時期、稼働日数、毎年の設備容量、CAPEX、OPEX、更新・撤去・残存価値、割引率を指定した税引前・借入前の案件NPVです。容量劣化は年ごとの物理検査へ反映し、現金を一律に減らす係数で代用しません。日次台帳へ計上済みの電力購入・発動費を年次OPEXへ重ねて入れません。長期制度、季節性、停止や市場参入者の戦略的反応を検証した投資損失確率ではありません。

## 主な制度根拠

- [EPRX取引ガイド第10版](https://www.eprx.or.jp/outline/docs/guide_ver.10_260701.pdf)：pp291・298・304–313（注文量、複合、調達範囲、約定制約）、pp665・667（一次単独の調整電力量料金）
- [売り入札指針の一覧](https://www.egc.meti.go.jp/info/guideline/)・[2026年3月改定の新旧対照](https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000309546)：売札の費用構造
- [EPRX精算上限](https://www.eprx.or.jp/information/docs/14b85fbe8942da7d3bdddda80243e7e170f64d9e.pdf)：2026年9月1日以降
- [EPRX FAQ](https://www.eprx.or.jp/contact/jukyuchoseishijo/faq.html)：公表約定値、速報・確報、電源属地とTSOの違い
- [OCCTO第63回資料4](https://www.occto.or.jp/assets/iinkai/jukyuchousei/63/jukyu_shijyo_63_04.pdf)：p9、10月1日の一次必要量見直し
