Policy Issue

内外無差別な卸売

内外無差別な卸売では、単価だけでなく数量、販売日程、与信、通告変更、転売・エリア条件まで比較します。第11回の7エリア担保という評価案は個別小売の調達保証ではなく、東京・中部・九州は別に確認が必要です。

第11回評価案調達基盤制度資料の確認:2026-10-02ページ編集:
調達・需給登録・管理

現在地

確認できている方向性

コミットメント評価の基本は、旧一般電気事業者等の電源へ公平にアクセスできるかと、不当な内部補助を防げるかです。2025年改定の政府回答を踏まえ、対象電源の例外、実質的な交渉期間、小売価格への反映を具体的に確認します。

小売実務への示唆

小売は価格・契約期間・ロードカーブだけでなく、募集時期、保証条件、通告変更、余剰転売、エリア制限を比較表に残します。発電は社内外の条件差を説明できる資料と、対象外電源の根拠をそろえます。

長期調達

制度の仕組み

  1. 対象電源・契約を確認
  2. 社内外の機会・条件を比較
  3. 価格・数量の結果を検証
  4. 小売価格への反映を評価

形式的な同一単価だけではなく、交渉日程、与信、数量・オプション条件と実際の契約結果を比較します。エリア評価は調達保証ではありません。

2025年改定の政府回答と公取委の実態調査を参照。第11回のエリア評価は案として表示し、個別契約の比較は当サイトの実務上の解釈です。

現在地・経緯と対応

30秒で分かる現在の結論

卸売の公平性は、価格・数量・交渉機会・与信・オプションを合わせて判断します。対象電源の例外と個別契約を確認し、エリア全体の評価だけで調達可能性を決めません。

分かっていること

  • コミットメント評価は、価格だけでなく交渉日程、卸標準メニュー、オプション、転売・エリア制限、与信、契約結果、小売価格への反映を確認する。少なくとも10営業日の検討期間を確認することを政府回答で説明している。回答5、pp.6〜8 ↗
  • 2025年7月9日の改定意見募集結果は提出3件、案の修正なし。新設・既設の区別だけで対象を変えず、買収・リプレースだから一定期間免除するという要望は採用されていない。改定結果 ↗/回答3、p.4 ↗
  • 蓄電池が環境影響評価法の対象外であることだけで、規模僅少電源として自動的に対象外にはならない。対象外としたい全子会社電源の発電電力量合計が、コミットメント主体のエリア内小売販売総電力量の1%未満かを確認する。回答1、p.2 ↗
  • 第11回フォローアップの7月31日評価案は7エリアを担保、東京・中部を未達、九州を保留とした。過去の契約・販売の評価と、その後の新たな募集条件を分けて読む。
  • 公取委の2025年報告は、容量確保契約金や発電側課金の卸価格への反映額の明示、非FIT証書の内部取引の価格設定を、透明性向上の観点から望ましい取組とする。本文pp.72〜73(PDF pp.75〜76) ↗

まだ決まっていないこと・個別に確認すること

  • 第11回評価案の最終確定扱いと、九州の2026年度期中販売後の再評価
  • 東京・中部の既存契約・発意電源契約の改善と、次年度販売の結果
  • 中長期市場の価格指標・監視と既存コミットメント評価の役割分担
  • 公表されたエリア評価だけでは確認できない、個別案件の価格・数量・信用条件や電圧・メニュー別の競争状況

当事者の疑問

同じ単価なら内外無差別といえるか

政府回答は、交渉期間、与信評価、オプション価値、転売・エリア条件、入札・ブローカー・相対交渉の扱いまで確認対象に挙げています。検討期間の開始日と締切、親会社保証等の準備時間、通告変更権、最低利用量、途中解約条件も比較します。形式的に同じ条件でも事業規模・需要構成により実質的効果が異なる点は、公取委も指摘しています。回答5・6、pp.6〜9 ↗

発電事業者は新設・買収した電源を対象外にできるか

政府回答No.3は原則として新設・既設で対象が変わらないとし、規模僅少、経過措置、火力電源入札落札、域外需要向け域外電源、オフサイトPPA新設、自家消費、FITの各対象外区分を示しました。個別区分の条件を満たすかで判断し、PPAや子会社という名称だけで免除扱いしません。回答1〜3、pp.2〜4 ↗

エリア内供給限定や購入上限は自由に付けられるか

回答No.4は、エリア内供給を条件とする場合、その条件が内外無差別か、実質的に自社小売を有利にしないかをフォローアップで確認するとしています。制限を含む募集条件と自社の需要分布を対応付け、募集量だけで調達可能量を見積もらないことが必要です。回答4、pp.4〜6 ↗

エリア全体で担保と評価されれば、価格の問題はないか

エリア評価は個社の調達を保証せず、個別の取引条件や競争状況の確認に代わりません。回答No.7では、社内外の調達費と全電圧の小売加重平均価格を比較する監視を説明する一方、電圧別・メニュー別評価には技術的課題があるとしています。問題を疑う場合は具体的な見積り・契約・価格差を記録します。回答7、pp.9〜11 ↗

寄せられた意見と制度側の回答

  • 2025年の改定意見では、新設・買収電源の一定期間免除や、蓄電池の対象外基準の明確化が求められた。監視委員会は新設・既設による一律免除を採らず、蓄電池は全子会社のkWh合計による1%基準を確認すると回答した。回答1〜3 ↗
  • 新電力側の意見は、10営業日の形式的確保だけでなく親会社保証や情報取得の実質的負担、電圧・メニュー別のプライススクイーズの確認を求めた。回答は一部を改定対象外としつつ、日程のフォローアップと具体事例の情報提供による検討を継続するとした。回答5〜7 ↗
  • 意見募集結果は3件で、改定案の修正はなかった。募集に寄せられた要望と採用された評価基準を分ける。案件595125045 ↗

小売が今やること

以下は当サイトの実務上の解釈です。

  1. 同じ期間・量・負荷形状で社内外の価格と信用条件を整理する
  2. 入札公告から締切までの日数と保証・社内承認の準備時間を残す
  3. 通告変更、最低利用量、転売、エリア制限の費用を価格へ加える
  4. 容量収入・発電側課金・非化石証書の価格反映を区分して確認する
  5. 東京・中部の既存契約と九州の期中販売・再評価を追う

議論の経緯

制度設計専門会合第45回以降

不当な内部補助の防止と電源アクセスの公平性を検討。第98回までの議論を文書化。

評価の考え方を策定・改定

前身専門会合から制度設計・監視専門会合第8回までの議論を反映。7月9日に3件の意見への回答を公表、案は修正なし。

公取委の発電・小売分野調査

容量収入・発電側課金・環境価値の取引透明性を点検。

第11回フォローアップ評価案

7エリア担保、東京・中部未達、九州保留を提示。

自社条件によって確認すること

業界各社の動き・関連する新着

公表された事実と、制度への接点を分けて読みます。掲載日は出来事の発生日・適用日とは異なる場合があります。

掲載 2026-08-18|発表内容は本文・原典で確認

九電みらい、地熱・水力35MWを2027年度から競争入札

九電みらいエナジーは、地熱4発電所と九州域内の非FIT水力を対象に、非FIT非化石証書を組み合わせたベースロード電力を小売電気事業者へ販売する。募集規模は合計3万5,000kW、年間約3億kWhで、2027年4月開始の1年商品と2年商品を設定する。買い手は供給元発電所を指定でき、価格は複数落札価格方式で決まる。

制度との関係(編集上の整理)
交渉機会と実際の契約条件を分けて評価します。新電力シェアの変化だけでは取引の公平性は判定できません。

事業上の確認点
小売事業者には、発電所を特定できる地熱・水力を複数年で確保する選択肢が加わる。入札では価格に加え、24時間一定の受渡形状と自社需要のずれ、数量未達時の扱い、証書の帰属、JEPX受渡しの運用を確認する必要がある。

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掲載 2026-08-06|発表内容は本文・原典で確認

九州電力、2027年度から4年間のベースロード商品を最大100万kW募集

九州電力は、2027年4月から2031年3月までを受渡期間とする常時一定の卸電力商品を公募した。予定数量は最大100万kW、最小申込単位は0.1MWで、基本料金と従量料金を組み合わせたマルチプライス方式を採用する。申込受付は8月24~26日で、自社小売部門も参加対象となる。

制度との関係(編集上の整理)
交渉機会と実際の契約条件を分けて評価します。新電力シェアの変化だけでは取引の公平性は判定できません。

事業上の確認点
小売電気事業者は、単年度の相対契約より長い価格・数量ヘッジを確保できる一方、4年間の需要変動と市場価格の下振れを負う。応札時はJEPX調達との比較に加え、信用要件、ベースロード形状、需要離脱時の余剰処分まで織り込む必要がある。

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掲載 2026-08-01|発表内容は本文・原典で確認

内外無差別な卸売、東京・中部で長期契約条件が課題

電力・ガス取引監視等委員会は、旧一般電気事業者グループの内外無差別な卸売に関する評価をまとめた。7地域では必要量が確保された一方、東京・中部ではJERAやグループ小売との既存長期契約条件が制約となり、九州は追加販売後に秋ごろ再評価する。

制度との関係(編集上の整理)
交渉機会と実際の契約条件を分けて評価します。新電力シェアの変化だけでは取引の公平性は判定できません。

事業上の確認点
新電力の調達可能性は、募集量だけでなく契約期間、価格式、通告条件、与信要件に左右される。制度評価が進んでも地域差は残るため、小売は相対契約、先渡し、スポットを組み合わせた調達比率を地域別に設計する必要がある。

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関連事例をすべて見る(4件)
掲載 2026-07-22|発表内容は本文・原典で確認

4月の新電力販売シェア、東京は33.8%

電力・ガス取引監視等委員会の2026年4月実績では、新電力の販売電力量シェアは東京33.8%、北海道21.5%、東北21.0%、九州19.4%などとなった。電気事業法に基づく報告データを集計した実績値である。

制度との関係(編集上の整理)
交渉機会と実際の契約条件を分けて評価します。新電力シェアの変化だけでは取引の公平性は判定できません。

事業上の確認点
小売競争はエリアごとの差が大きい。競合分析では全国平均だけでなく、電圧別の販売量、顧客獲得費、調達構成をエリア別に比較する必要がある。

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この制度に関する新着一覧 →

データから見る背景

研究から得られる補助線

日本・英国・イタリア・ベルギー・アイルランド・PJMの容量市場と、ドイツ・ベルギー・スウェーデンの戦略的予備力を制度設計と取引実態から比較しています。|公表 2026-07-31|過年度報告書の新規公表 対象年度 令和5年度

安定供給・脱炭素と市場参加者の行動を海外から読む

研究が示すこと(掲載済み要約)
同じ供給力確保でも、信頼度基準、調達時期、費用負担、価格決定、リクワイアメントとペナルティが国ごとに異なり、投資回収と電源行動への作用も変わります。

この制度で考える問い
日本の投資予見性を最も左右するのは、信頼度基準、オークション設計、未達ペナルティ、参加要件のどれか。

前提・限界
令和5年度事業の報告書が2026年7月31日に新規公表されたものです。主に2023年度調査・2024年時点の海外制度で、現行ルールは一次情報で再確認が必要です。

著者・原典・実務との接点 →
西粟倉村が、森林事業、小水力・バイオマス・太陽光、地域新電力、起業支援の歩みをまとめた単一地域の事例報告です。|公表 2026-05-12|

地域新電力を森林・起業・雇用の循環へつなぐ

研究が示すこと(掲載済み要約)
再エネを単独の発電事業にせず、森林整備、木材利用、地域新電力、起業支援を一つの地域産業政策として進める構成を示しています。地域側が意思決定を担い、外部企業の専門性を取り込む推進体制も整理しています。

この制度で考える問い
地域の自然資本から得る電力収益を、地元企業・雇用・次の再エネ投資へ循環させる仕組みを設計できているか。

前提・限界
村による自己報告の単一事例で、成果を再エネ施策だけの効果として識別していません。KPIの期間・定義が十分でない箇所や計画段階の要素もあり、他地域へそのまま一般化できません。

著者・原典・実務との接点 →
関連する研究をすべて見る(3件)
改革の目的と検証、第7次エネルギー基本計画、組織の経済学を参照した政策・制度レビューです。|公表 2026-01-16|

電力システム改革を需要増と投資回収から振り返る

研究が示すこと(掲載済み要約)
DX・GXによる需要増加を前提に、脱炭素電源、LNG火力、系統、蓄電池・DR、資金調達を整合的に設計する必要性を示し、再エネと原子力を二者択一にしない視点を置いています。

この制度で考える問い
需要増加シナリオに対して、電源・系統・調整力の投資と回収手段を同じ時間軸で置けているか。

前提・限界
短い講演資料で、独自の定量分析や因果検証を提示する研究論文ではありません。制度提案は登壇者個人の整理で、学会やシンポジウムの総意ではありません。

著者・原典・実務との接点 →
この制度に関する研究一覧 →
当サイトの解釈・検討する問い

価格以外の契約条件も社内外で比較する

同一単価でも、保証の準備期間、最低利用量、通告変更や転売制限で調達の実効費用は変わります。条件差と交渉過程を記録し、発電はその合理性を説明できる状態にするのが実務上の対応です。

成り立つ条件・限界
エリア評価は個別の価格・数量の保証ではありません。全電圧の加重平均を用いる監視だけで、全メニューの競争上の問題が否定されるわけではありません。

次に確認すること
次回募集の価格・数量・日程・信用・オプション条件を同じ様式で比較し、対象外電源の根拠と具体的な条件差を確認する。

解釈の確認日:2026-10-02
この解釈の根拠を確認制度の現在地と一次資料へ戻る
主な審議会・検討会制度設計・監視専門会合 第22回(2026年7月31日)
直近の確認事項第11回評価案(2026年7月31日)/2025年7月9日改定回答・公取委報告を照合
今回の変化対象電源と例外、蓄電池の1%基準、10営業日、与信・オプション、監視の限界を政府回答から追加

一次資料

本ページは公開された一次資料を実務向けに整理したもので、法的助言ではありません。対応時は最新の法令・告示・ガイドライン・公式資料をご確認ください。