電力制度の重要論点一覧
電気小売事業者に影響する電力制度の現在地、未決事項、対応アクションを論点別の固定ページで整理しています。審議会・公式資料を基に、期限、影響範囲、実務で準備すべき事項まで確認できます。
- 量的な供給力確保
実需給3年度前に50%、1年度前に70%のkWh確保を基本とする方向。販売電力量5億kWh未満には当初25%・50%への軽減を設け、2030年度供給計画から確認を始める想定です。
- 中長期取引市場
中長期取引市場は詳細設計中です。大規模発電事業者の売り注文を促す仕組みと、小売が実際に購入できる条件は別です。第4回の複数市場・基準エリア案に加え、価格、信用リスク、再販売、容量市場との費用調整を確認する必要があります。
- 休止小売の登録管理厳格化
登録後1年以内に小売を開始しない場合・1年以上休止する場合の取消制度は成立し、正当な理由の審査基準を検討中です。卸取引を続けるトレーディング事業者の扱いと、再開計画の実現性が8月25日の主要論点でした。
- 市場連動料金の説明と表示
市場連動・燃料費調整メニューでは、料金が変動すること、算定方法、上限の有無の説明が必要です。現行の6月8日版指針を基に、説明義務、推奨される高騰例の提示、広告・契約変更時の対応を整理します。
- 卸電力取引所の指定・監督
中長期・需給調整の取引所を指定・監督する改正法は7月24日に公布されました。指定の対象は取引所で、小売・発電の参加条件は市場ごとの規程で具体化します。既存JEPXのBL値差清算延長は8月31日の取引規程改定に反映済みです。
- ベースロード市場の再編
2026年度第1回BL取引は中止されました。JEPXは8月31日、値差補填・徴収の対象期間を延ばす取引規程を改定済みです。GX-ETS費用を供出上限価格へ入れるガイドライン案は、9月24日の意見募集終了後の最終確認が残ります。
- JEPX取引システム・入札ルール移行
JEPXの公式案内では、時間前市場は2026年10月1日受渡分から新システムを使用します。旧システムでの実績取得は10月9日までで、新システムの清算書は新しい清算管理から取得する扱いです。
- 容量市場・容量拠出金
2030年度のメイン全量調達は確定済みです。小売の容量拠出金は年度・エリア・需要シェアで変わり、2026年5月分では催告期限後も未納の2事業者が公表されました。発電・DR側は実効性テストや退出等の負担を負い、Z時間・電源区分・補完オークションは詳細検討中です。
- 長期脱炭素電源オークション
公表日程では、事業者情報の登録受付は2026年10月13~16日です。安定電源のD1様式は10月8日に差し替えられました。LNG固定額還付の説明は9月2日約款時点のもので、適用する最終条件を別途確認します。
- 予備電源制度
広域機関は9月16日、2027・2028年度開始分の第3回募集に応札がなかったと公表しました。東100万kW・西68万kWの募集量を確保済みと見込むことはできません。
- 非化石価値取引市場
非化石証書は、商品別の約定結果だけでなく、高度化法の義務量、顧客への割当、利用確定まで管理する必要があります。第3フェーズは2026~2028年度で、対象範囲を維持しながら、目標設定と直接取引の運用を見直しています。
- GX-ETSの卸価格・料金反映
GX-ETSは2026年度から法的な排出枠保有義務を伴う制度として動いています。一方、卸価格への反映は市場別の設計が必要で、8月26日公示のベースロード市場ガイドライン案は、発電事業全体の不足分をユニットへ配分する算式を示しています。
- 化石燃料賦課金
化石燃料賦課金は2028年度から、化石燃料の採取・輸入等に伴うCO₂量に応じて徴収する制度です。小売登録があるかではなく、自社が燃料の採取・輸入等を行うかで直接の負担主体を判断します。
- 同時市場
9月14日の第25回で、第1フェーズの技術研究について、年度末までに一定結果を示す前提のシミュレーションを実施しない方針が示されました。準備後に実行できる期間が約1か月と見込まれ、実現性確認には不十分と判断されたためです。
- 需給調整市場
一次・二次①・複合商品のΔkW上限10円/ΔkW・30分は9月1日実需給分から適用中です。二次①を2027年度以降に広域調達する方針は小委で整理され、実施規程と切替工程を確認する段階です。
- 間接送電権によるエリア値差ヘッジ
間接送電権は、指定した2エリア間・方向別の翌日スポット価格差を清算する商品です。年間商品も公表されていますが、実際の翌日約定量による清算上限と、連系線容量等に伴う減量があります。
- 内外無差別な卸売
内外無差別な卸売では、単価だけでなく数量、販売日程、与信、通告変更、転売・エリア条件まで比較します。第11回の7エリア担保という評価案は個別小売の調達保証ではなく、東京・中部・九州は別に確認が必要です。
- 託送料金の改定とレベニューキャップ
託送原価の11月1日改定について、東北・東京・四国・九州の小売料金への反映条件が9月28~29日に公表されました。収入上限の承認、一般送配電事業者の約款届出、小売の料金改定は別の手続です。
- 系統・大規模電源への広域機関融資
広域機関は10月2日、規程案への意見と回答を公表し、貸倒れ時の特別会費を、財務健全性確保の措置を講じても国への償還が難しい場合に限るよう案を修正しました。国の省令・告示案は10月15日まで意見募集中で、最終規程・個別融資は未確定です。
- 経過措置料金
沖縄の指定解除は、競争者の独立性・シェアの継続性などを精査する段階です。同時に、解除前の規制料金へ燃料・物価・GX-ETS費用をどう反映するか、解除後の低圧需要家をどう保護するかが議論されています。
- 代理店を含む小売営業管理
代理店の説明・書面交付に加え、一括受電の住民保護と電子交付の承諾方法が具体化しています。現行指針では、電話の口頭承諾を録音するだけの方法は電子交付の承諾として認められません。
- 次世代スマートメーターと計量・データ利活用
特定計量の機器点データは、低圧・高圧で月1回の確定30分値連携が2026年4月から適用されています。特高への拡張案について、公表された意見募集期限は2026年10月5日15時(JST)で、期限を経過しています。期限延長・募集結果・最終規格は未確認です。
- 再エネ出力制御とFIP調達
広域機関は9月30日、北海道で8月25日・28日・30日に実施された需給バランス制約による再エネ出力抑制を検証し、下げ調整力不足が見込まれたとして指令は妥当と評価しました。
- インバランス料金・需給管理
10月のインバランス算定見直しと、9月29日に広域機関が提示した「広域過不足率」の料金反映案は別の検討です。後者の試算に使った200円/kWhを、10月以降の補正料金の上限として扱わないよう注意が必要です。
- 蓄電池・DR・アグリゲーション
低圧リソース・機器個別計測による需給調整市場への参入は、要件を満たす場合に2026年3月14日実需給分から可能です。7月規程では、容量市場の発動指令・実効性テストと重なる場合の優先関係も明確になりました。
- 系統接続・混雑管理と大規模需要
10月14日、一般送配電10社が最終保障供給約款、対象7社が離島等供給約款の変更を届け出ました。東京電力PGでは11月1日から、供給承諾前の需要家都合による申込内容変更と、承諾後の工事費負担金の期限超過を取消し条件に加えます。土地使用権原は2026年10月1日以降受付分に適用され、原則連系承諾後2か月以内、合理的理由がある場合は一般送配電事業者が別期限を設定できますが、10月6日の蓄電池接続検討料・敷地分割・JC-STARは案のままです。
- PPA・環境価値の割当と需要家向け表示
PPAでは、電力の受渡し、価格精算、環境価値の帰属、需要家の排出量報告を別々に確認します。FIP電源の証書直接取引や親子会社での利用には条件があり、契約の名称だけで再エネ表示や排出係数ゼロを判断できません。