電力制度の重要論点一覧
電気小売事業者に影響する電力制度の現在地、未決事項、対応アクションを論点別の固定ページで整理。
- 量的な供給力確保
小売の量的確保ルール自体に7月29日後の新決定はありませんが、8月3日、履行手段となる中長期市場の供出総量を小売年間需要推定実績の合計×10%とする事務局案が示されました。
- 中長期取引市場
第3回では、市場全体の供出総量を小売の年間需要推定実績の合計×10%とし、原則500万kW以上の発電事業者へ対象発電量で配分する事務局案が示されました。
- 休止小売の登録管理厳格化
改正法は、登録後1年以内に小売を開始しない場合または1年以上継続して休止した場合に、正当な理由がなければ登録を取り消せる仕組みを設けました。8月25日に正当理由の審査基準案が示されています。
- 市場連動料金の説明と表示
市場価格に連動する料金では、価格変動の仕組み、不利な条件、算定方法を需要家が理解できる説明が重要です。
- 卸電力取引所の指定・監督
中長期市場や需給調整市場の取引所を国が指定・監督する改正法は7月24日に公布されました。新指定制度は公布後1年以内の政令日施行です。既存ベースロード市場では、8月26日の審議を経て、8月27日にJEPX業務規程変更の認可へ異存ない旨が正式回答されました。
- ベースロード市場の再編
JEPXは8月21日、GX-ETSの卸取引での扱いを詰めるため、8月31日実施予定だった2026年度第1回ベースロード取引(1年物・2年物)を中止しました。8月26日にガイドライン改定案が公示され、同日の監視委審議を経て27日に値差清算延長の規程変更へ異存なしと正式回答されました。
- JEPX取引システム・入札ルール移行
新スポット取引システムは2026年4月受渡分から稼働し、時間前市場は10月1日受渡分から新システムへ切り替える予定です。
- 容量市場・容量拠出金
2030年度向けメインオークションは、必要量の全量調達、発動指令電源上限5%、Net CONE 20,911円/kW等のルールが確定しました。2027年度追加オークションは457.9万kWを全エリア10,361円/kWで落札しています。
- 長期脱炭素電源オークション
応札年度2025年度の全落札電源で容量確保契約の締結が完了し、容量・金額は約定時から変わっていません。火力7案件は脱炭素化ロードマップも公表しました。
- 予備電源制度
予備電源制度ガイドラインは2026年8月4日に確定し、広域機関は8月19日、第3回募集を東エリア100万kW・西エリア68万kWで開始しました。締切は9月15日です。
- 非化石価値取引市場
2026年度第1回の非FIT非化石証書(再エネ指定なし)は、1.20円/kWh・約1.15億kWhで約定しました。売入札約1.99億kWhに対し、買入札は約111.52億kWhでした。
- GX-ETSの卸価格・料金反映
8月25日、GX-ETSの当年度費用をN-1年度末の合理的見積りで当年度の卸価格へ反映する案が示され、8月26日には2027年度秋頃の開設を想定した排出枠市場の基本設計案が示されました。
- 化石燃料賦課金
2028年度から化石燃料の輸入事業者等に、輸入等する燃料に由来するCO₂量に応じて課されるカーボンプライシング制度です。
- 同時市場
電力量(kWh)と調整力(ΔkW)を同時に約定し、電源の起動費・最低出力費用・増分費用などを考慮して運用を最適化する将来市場です。
- 需給調整市場
全商品の前日・30分取引化後も応札不足と競争不足は解消しておらず、一次・二次①・複合商品のΔkW上限価格は2026年9月1日実需給分から15円から10円/ΔkW・30分へ引き下げられます。
- 間接送電権によるエリア値差ヘッジ
連系線混雑で生じるエリア間価格差をヘッジする間接送電権に、2026年度から年間商品などの拡充が進んでいます。
- 内外無差別な卸売
第11回フォローアップの評価案は、北海道・東北・北陸・関西・中国・四国・沖縄の7エリアを「内外無差別が担保」、東京・中部を未達、九州を保留と整理しました。
- 託送料金の改定とレベニューキャップ
一般送配電事業者8社の収入上限期中調整額は合計8,844億円で、監視委員会は8月27日、変更承認に問題がない旨を大臣へ回答しました。別経路では、中国電力ネットワークが8月24日に約款変更を届け出、11月1日実施と公表しています。
- 経過措置料金
経過措置料金の指定解除は沖縄を含め検討中です。GX-ETSについては、費用・収益を事業者単位の会計処理に基づいて料金へ反映し、将来の義務履行・脱炭素投資へ充てる収益は控除しない案が示されました。
- 代理店を含む小売営業管理
登録小売だけでなく、媒介・取次・代理業者による料金説明、契約切替、勧誘表示も監視対象となり、2025年度は50件の業務改善指導が行われました。
- 次世代スマートメーターと計量データ
次世代スマートメーターの導入に伴い、スイッチング、確定使用量通知、事業者間EDI、特定計量への対応が段階的に変わります。
- 再エネ出力制御とFIP調達
2026年4~6月の再エネ出力制御量は全国20.7億kWh(速報)となり、2025年度通年20.2億kWhを既に上回りました。2035年のエリア別制御率と低減策の感応度も示されています。