Policy Issue

化石燃料賦課金

化石燃料賦課金は2028年度から、化石燃料の採取・輸入等に伴うCO₂量に応じて徴収する制度です。小売登録があるかではなく、自社が燃料の採取・輸入等を行うかで直接の負担主体を判断します。

2028年度導入予定将来原価制度資料の確認:2026-10-02ページ編集:
調達・需給料金・営業環境価値

現在地

確認できている方向性

燃料費や卸価格への波及は契約次第です。GX-ETS、非化石証書、再エネ賦課金とは発生根拠が異なり、同じ請求を重複計上しない管理と、別制度の負担を正しく積み上げる管理の両方が必要です。

小売実務への示唆

2028年度をまたぐ燃料・卸・小売契約について、賦課金を含む価格か、別加算か、燃料費調整との関係、改定日、減免・還付の帰属を確認します。単価未確認の段階では変数で試算し、GX-ETSの単価を賦課金へ流用しません。

脱炭素・環境価値

制度の仕組み

  1. 採取・輸入等の課金対象を把握
  2. CO₂量と年度単価から賦課
  3. 燃料・卸契約で転嫁
  4. 小売原価・料金と照合

直接の納付と価格を通じた間接負担を分けます。別制度のGX-ETS費用を自動的に控除できるという意味ではありません。

2028年度導入と徴収主体の説明、GX2040ビジョンへの提出意見・政府回答を確認。個別の単価、減免適用、請求・精算条件は最終法令と契約で確認します。

現在地・経緯と対応

30秒で分かる現在の結論

2028年度の導入に備え、燃料から発電・卸・小売まで、誰が納付し、誰へ、いつ、いくら転嫁する契約かを確認します。賦課金単価とGX-ETSの排出枠価格は別で、制度上の相殺が確認できない限り、一方を払えば他方が不要とは扱いません。

分かっていること

  • GX推進機構は、2028年度から化石燃料の輸入事業者等を対象に、燃料に由来するCO₂量に応じた賦課金を導入し、徴収事務を担うと説明しています。2026年度からの排出量取引、2033年度からの発電部門有償オークションとは開始時期が異なります。
  • 法律の仕組みは燃料の採取場からの移出や保税地域からの引取り等を捉えます。したがって、電力だけを調達する小売の間接負担と、自ら燃料輸入等も行う事業者の直接納付を区別します。
  • 2025年改正は、支払期限、滞納処分、国内で使用しない燃料の減免等の執行事項を整えるものです。2028年度という開始年と、燃料・用途ごとの具体的な適用条件は分けて確認します。
  • GX2040への政府回答は、既存のエネルギー負担と中長期の負担抑制を踏まえて年度ごとに負担水準を決める制度を説明しています。特定小売・特定需要家の電気料金が必ず据え置かれるとの保証ではありません(回答No.185)。
  • 減免については石油石炭税との整合を図ること、申告・納付手続はその仕組みを踏まえることが示されました。還付期限延長等の個別要望は、回答時点では詳細検討の位置付けです(回答No.186~190、193)。

まだ決まっていないこと・個別に確認すること

  • 2028年度以降の具体的な賦課金単価と、各燃料・用途の適用条件。公表される単価・適用規程に基づく確認が必要です。
  • 燃料輸入・調達契約から発電、卸、小売へ転嫁する単価・時期・既存契約の取扱い。制度の開始だけで契約上の改定権が発生するとは限りません。
  • 燃料費調整等への反映方法、税・賦課金を含む価格指標との重複、減免・還付の条件と事後精算。
  • GX-ETSと賦課金の将来の制度調整。政府回答No.192はそれぞれの価格設定の考え方を説明しており、両者の同額化や自動相殺を約束していません。

小売が今やること

以下は一次資料を踏まえた当サイトの実務上の提案です。

  1. 2028年度をまたぐ調達契約を抽出し、燃料・炭素関連の費用ごとに、法的納付者、請求先、算定単位、内数・外数、見積り・実績の区分を付ける。
  2. 卸相手へ、賦課金が燃料価格に含まれるのか、別項目で請求されるのかを確認する。燃料費調整ですでに回収する部分との重複を点検する。
  3. 未公表単価を変数として、燃種構成・発電効率・契約上の転嫁割合別に原価を試算する。GX-ETSの1,700円・4,300円/tを賦課金の確定単価として使わない。
  4. 固定料金では制度変更時の協議条項、連動料金では参照指標と適用月を確認する。減免・還付や誤算定が起きた場合の差額精算も定める。
  5. 発電事業者は燃料の納付対象時点と発電・売電の時点のずれ、在庫燃料の取扱いを調達先と確認する。導入月から全売電kWhに一律加算する前提は置かない。

当事者が判断したいこと

「二重計上を防ぐ」とはGX-ETS分を引くことか

違います。当サイトが求めるのは、同じ賦課金が燃料費の内数にも別請求にも含まれるなどの重複を確認することです。GX-ETSと化石燃料賦課金は別の負担なので、相殺を定める法令・契約が確認できなければ両方を原価要素として検討します。

燃料を輸入しない小売にとって何が変わるか

調達先の費用増が卸見積り・市場価格・調整単価へ波及する可能性があります。自社が直接納付しなくても、原価予算と顧客価格の改定時期がずれるリスクがあります。波及の程度は調達構成と契約によります。

円/t-CO₂を小売の円/kWhへどう置き換えるか

当サイトの試算方法として、燃料由来排出量を供給電力量へ配分し、賦課金単価と転嫁割合を掛けます。例えば仮に配賦係数0.5kg-CO₂/kWh、単価1,000円/t、全額転嫁なら0.5円/kWhです。これは計算例であり、実際の単価・排出係数・免除・転嫁を示すものではありません。

提出意見と回答

  • 早期に高率の炭素税として導入すべきとの意見に対し、国は先行投資支援と組み合わせて徐々に炭素価格を上げる方針を維持しました(GX2040回答No.184・191)。
  • 減免を石油石炭税とそろえる要望と、優遇を縮小すべきとの意見の双方に対し、国は事務負担と円滑な執行を踏まえた整合的な詳細設計を説明しました(No.187・188)。
  • 還付期限を長くする要望には詳細を今後検討、徴収手続の一元運営の要望には関係機関との連携で対応すると回答しています(No.186・190)。
  • GX-ETSとの価格乖離を抑える要望に対し、賦課金はエネルギー負担減少の範囲、排出枠価格は投資促進・経済影響等を踏まえるという別の設定原則が示されました(No.192)。

議論の経緯

GX推進法

2028年度からの化石燃料賦課金を位置付け。

GX2040意見募集結果

単価の予見性、減免、還付、手続、GX-ETSとの関係への意見に政府が回答。

GX推進法改正

賦課金の支払期限・滞納処分・国内不使用燃料の減免等を具体化。

賦課金の導入

輸入事業者等への徴収を開始する制度。個別転嫁条件は契約で確認。

自社条件によって確認すること

業界各社の動き・関連する新着

公表された事実と、制度への接点を分けて読みます。掲載日は出来事の発生日・適用日とは異なる場合があります。

掲載 2026-08-21|発表内容は本文・原典で確認

7月の輸入単価、LNG約10.93万円・原油約11.64万円

財務省の2026年7月分貿易統計速報の数量と金額から算出すると、輸入単価は液化天然ガスが1トン当たり約10万9,300円、原油・粗油が1キロリットル当たり約11万6,400円、石炭全体が1トン当たり約2万6,600円となる。

制度との関係(編集上の整理)
直接の納付主体と小売への間接波及を区別します。GX-ETSと同じ費用を二重に計上しないよう契約を点検します。

事業上の確認点
燃料輸入単価は火力発電の変動費や燃料費調整の基礎環境を示す。実際の電気料金や各社損益への反映には、調達契約、為替、在庫、算定上の時間差も併せて見る必要がある。

発表段階・一次資料を確認 →
この制度に関する新着一覧 →

データから見る背景

東京エリア家庭向け料金マスター

詳細画面で確認

詳細画面で地域・期間を選択

東京家庭向けの料金方式・契約条件を確認。託送・容量・炭素費用が独立費目として転嫁されるかは各社約款によって異なります。政府支援等を含まない参考試算です。

対象期間・地域を選んで見る → · 定義・出所

研究から得られる補助線

統計・公開情報・コールセンター事業者ヒアリングを用い、物流・商流・財務・需給・設備・法規制を分析しています。|公表 2026-08-28| 対象年度 令和7年度

石炭サプライチェーンの維持・適応

研究が示すこと(掲載済み要約)
石炭取扱量の減少、経営悪化、設備老朽化によるコールセンターの機能低下・閉鎖リスクを整理し、備蓄や集約・協業等の論点を提示しています。

この制度で考える問い
主要コールセンターが停止した場合に、発電所までの代替物流、必要在庫日数、融通の発動条件を具体化できているか。

前提・限界
コールセンターに焦点を当てた調査で、提示された機能は政策案であり、支援制度の決定や個別設備の採算性を示すものではありません。

著者・原典・実務との接点 →
各種一次統計の重複・接続を点検し、電力分野では発電量・所内率・設備容量等を補い、一次エネルギーから最終消費とエネルギー起源CO2まで統一体系で整備しています。|公表 2026-07-31|過年度報告書の新規公表 対象年度 令和5年度

総合エネルギー統計の整備・分析を確認する

研究が示すこと(掲載済み要約)
電力需給を単独で見る表ではなく、燃料投入、発電・転換損失、自家消費、最終需要をつなぎ、事業計画の前提がエネルギー全体のどこに位置するかを確認できます。

この制度で考える問い
自社計画の需要量、発電量、所内率、燃料投入、排出量は、統計のどの項目・定義・年度と接続しているか。

前提・限界
令和5年度事業の報告書が2026年7月31日に新規公表されたものです。主に2022年度実績の整備・分析で、個社業績や短期市場を予測する資料ではありません。

著者・原典・実務との接点 →
関連する研究をすべて見る(3件)
IEA向け年次・月次・長期見通し・緊急時質問票等を、日本の電力・熱・再エネを含む統計から作成・協議した実務記録です。|公表 2026-07-31|過年度報告書の新規公表 対象年度 令和5年度

国際エネルギー統計の作成実務を確認する

研究が示すこと(掲載済み要約)
国際比較に用いるエネルギー統計について、国内データを国際定義へ対応させ、照会・修正を経て提出する収集・整備の過程を整理しています。

この制度で考える問い
国際比較で用いる電力・燃料統計について、定義、換算、対象年、改訂履歴を追跡できているか。

前提・限界
令和5年度事業の報告書が2026年7月31日に新規公表されたもので、現在の国際需給そのものを示す資料ではありません。最新統計を確認してください。

著者・原典・実務との接点 →
この制度に関する研究一覧 →
当サイトの解釈・検討する問い

2028年度の費用を転嫁経路から見積もる

小売は自社が納付主体でなくても、燃料価格、卸価格、別加算のどこに負担が含まれるかを確認する必要があります。同じ費用の重複加算を避ける一方、別制度の負担まで根拠なく相殺しない原価管理が必要です。

成り立つ条件・限界
具体単価・減免・転嫁時期は最終法令と個別契約次第です。炭素単価からの円/kWh換算例は感応度であり、実際の電気料金改定額を示しません。

次に確認すること
2028年度をまたぐ調達・販売契約で、内数か別加算か、減免・還付と誤算定の精算を定めているか。

解釈の確認日:2026-10-02
この解釈の根拠を確認制度の現在地と一次資料へ戻る
主な審議会・検討会GX実行会議/経済産業省GXグループ/国会審議/GX推進機構
直近の確認事項2026年10月2日確認:GX推進機構の徴収事務、GX2040意見募集回答(2025年2月17日)
今回の変化納付主体と転嫁先、GX-ETSとの別負担、減免・還付の検討経緯、2028年度をまたぐ契約の確認項目を追加

期限・節目

一次資料

本ページは公開された一次資料を実務向けに整理したもので、法的助言ではありません。対応時は最新の法令・告示・ガイドライン・公式資料をご確認ください。