Policy Issue

卸電力取引所の指定・監督

中長期・需給調整の取引所を指定・監督する改正法は7月24日に公布されました。指定の対象は取引所で、小売・発電の参加条件は市場ごとの規程で具体化します。既存JEPXのBL値差清算延長は8月31日の取引規程改定に反映済みです。

新制度は施行準備制度整備制度資料の確認:2026-10-02ページ編集:
調達・需給登録・管理

現在地

確認できている方向性

新制度の施行・指定・業務規程認可と、既存市場の規程改定を分けます。法律は経理・技術・公正性等の指定基準と監督枠組みを定めていますが、新市場の報告様式、担保、システム接続、取引開始日は別途確認が必要です。

小売実務への示唆

小売・発電は取引所の指定を自社の参加承認とみなさず、会員・商品・報告・担保・清算・システムを別々に点検します。取引ログから契約・計画・決済をたどれる記録を整え、正式規程が出た部分から対応します。

短期市場・柔軟性

制度の仕組み

  1. 取引所を指定
  2. 業務規程等を認可
  3. 会員が参加・記録・清算
  4. 監視・調査・是正

国による取引所の指定、取引所による参加資格の審査、市場規程・システムの変更は別の手続です。

衆議院の成立・公布経過と改正条文、JEPX現行業務規程・取引規程を参照。新市場の具体的な参加・報告要件と区別し、対応提案は当サイトの解釈です。

現在地・経緯と対応

30秒で分かる現在の結論

新指定制度の対象は取引所です。参加事業者の契約・報告・担保は市場規程で確認します。新法の施行準備と、すでに公表された既存JEPX規程の変更を分けて管理します。

分かっていること

  • 改正電気事業法は2026年7月17日に成立し、7月24日に法律第68号として公布。中長期・需給調整の取引所制度等は公布から1年以内の政令日施行という区分である。成立・公布の経過 ↗/附則1条3号 ↗
  • 新99条の15・19は、業務計画、経理的・技術的基礎、役職員構成等の公正性を取引所の指定基準とする。新99条の17・21は業務規程・事業計画等の監督枠組みを準用する。新99条の15〜22 ↗
  • 既存卸電力取引所は施行日に短期卸電力取引所とみなされる経過措置がある。中長期・需給調整の指定申請、業務規程・予算等の認可は施行前に準備できるが、準備行為と市場の取引開始日は同じではない。附則3〜8条 ↗
  • 現行JEPXでも取引所による監視・調査、参加者の調査協力、勧告・取引制限・停止等の枠組みがある。新指定制度の施行を待たずに既存規程を守る必要がある。13・14条、p.5 ↗
  • BL値差清算は8月31日の取引規程改定に反映済み。新取引所の指定制度とは別に、現行市場の受渡年度別ルールとして適用範囲を確認する。附則5条、p.28 ↗

まだ決まっていないこと・個別に確認すること

  • 新指定制度の具体的な施行政令、指定告示と各取引所の最終認可規程
  • 新市場の会員要件、報告様式・期限、システム接続、担保・清算、不履行処理
  • 中長期市場の取引開始日・商品・既存市場との接続。法律の公布日から直ちに注文できるわけではない
  • BL規程変更の個別大臣認可文書・発効日の行政記録。公表済みの8月31日取引規程改定と分けて確認する

当事者の疑問

指定されるのは小売・発電事業者か

この指定制度の対象は市場を開設する取引所です。取引参加者は別途、当該市場の会員・参加要件や取引規程に従います。新指定制度ができるだけで既存会員の資格・商品・担保が自動的に同一条件で新市場へ移るとは限りません。新99条の15・19 ↗/現行5条 ↗

国と取引所、会員の責任はどう分かれるか

国は取引所を指定し業務規程等を認可・監督する枠組みを設け、取引所は公正な価格形成と清算・システム等を運営します。JEPXの現行業務規程13条は監視結果の当局等への報告と参加者の調査協力を規定。発電・小売は入札、契約、計画、清算の記録を対応付け、照会への回答責任を明確にします。新市場の具体的な報告項目・頻度は正式規程で確認します。新99条の17・21、106・107条の改正 ↗/13条 ↗

8月27日の異存なし回答だけで規程は施行されたのか

監視委員会の意見回答と大臣認可、取引規程の公表を分けます。本件はJEPXが8月31日にBL値差清算延長の取引規程改定を公表しており、現在は附則5条で対象年度を確認できます。行政上の意見聴取と取引規程の公表は別段階であり、公表済みの取引条件は改定規程で確認します。8月31日の改定公表 ↗/附則5条 ↗

システム更改と新法施行を同じ作業にしてよいか

法令・指定、市場ごとの商品と契約、会員規程、システム仕様の変更日は別です。既存の入札・預託・決済・障害対応は現行規程に従い、新市場が示す追加の要件だけを差分として実装します。1・5〜9・13条 ↗

寄せられた意見と制度側の回答

  • 制度設計WGの政府回答No.108・111は、価格の直接規制を基本とせず、不当な売り入札を防ぐ監視の具体化を続けるとした。取引所の指定・監督が、小売向けの安価な約定や供給量の保証になるわけではない。回答No.108・111 ↗
  • 改正法は指定・規程認可等の行政手続と経過措置を定めた。一方、既存JEPXのBL値差清算延長は8月の個別規程改定であり、両者の進捗を一つのステータスで管理しない。附則3〜8条 ↗/附則5条 ↗

小売が今やること

以下は当サイトの実務上の解釈です。

  1. 国の施行政令・指定告示と、各市場の業務規程・会員規程を別に確認する
  2. 現行市場の報告・調査協力・預託金・禁止行為を継続点検する
  3. 契約番号、注文・約定、供給計画、請求を対応付けて保存する
  4. 新規程に合わせて法務・取引・財務・システムの責任と期限を決める

議論の経緯

制度設計WGの基本方向

中長期市場の価格指標形成と市場監視等の詳細検討を整理。

法案提出・成立・公布

閣法36号は7月17日可決、24日法律第68号として公布。

指定・規程認可等の準備と経過措置

旧取引所のみなし指定、新しい取引所の申請・認可準備を附則に規定。

既存市場の取引規程改定

JEPXがBL値差清算の対象期間延長を公表。

自社条件によって確認すること

業界各社の動き・関連する新着

公表された事実と、制度への接点を分けて読みます。掲載日は出来事の発生日・適用日とは異なる場合があります。

掲載 2026-07-18|発表内容は本文・原典で確認

改正電気事業法が成立、電源・系統融資と市場規律を拡充

電気事業法等の改正案は7月17日の参議院本会議で可決され、成立した。認定を受けた大規模電源・送電計画への広域機関融資、値差収益の系統整備活用、電源休廃止前協議、市場監督、小売登録規律、太陽光設備の安全対策などを盛り込む。

制度との関係(編集上の整理)
指定制度、各市場の参加規程、取引システムの変更を区別し、契約と運用へ反映します。

事業上の確認点
発電・送配電事業者は公的融資を含む資金調達と認定手続を検討できる一方、小売・市場参加者には監督と登録管理の変更が及ぶ。成立だけで実務要件が確定するわけではないため、公布日、施行日、政省令、認定基準を継続して確認する必要がある。

発表段階・一次資料を確認 →
掲載 2026-07-17|発表内容は本文・原典で確認

電気事業法改正案、参議院委員会を通過

参議院経済産業委員会は7月16日、電気事業法等の改正案を可決した。大規模電源・系統投資への融資、電源休廃止前の協議、市場監督、小売規律、太陽光設備の安全対策などを含む法案で、この時点では本会議採決前の段階だった。

制度との関係(編集上の整理)
指定制度、各市場の参加規程、取引システムの変更を区別し、契約と運用へ反映します。

事業上の確認点
発電事業者は休廃止計画に送配電側との協議と需給・系統影響の説明工程を加える準備が必要になる。7月16日時点では成立法ではないため、社内管理では委員会可決、本会議成立、公布、施行を別々のマイルストーンとして扱いたい。

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この制度に関する新着一覧 →

データから見る背景

この論点に直接対応する定量指標は未接続です。制度の原典と実務の確認事項を参照してください。

研究から得られる補助線

政府委託調査/海外制度比較|公表 2026-08-24| 対象年度 令和7年度

諸外国の電気事業制度から市場設計を比較する

研究が示すこと(掲載済み要約)
この報告書は、エネルギーと予備力を同時に扱う市場について、入札、電源起動、価格算定、追加費用、混雑、市場支配力の処理を分解し、米国の複数市場を比較しています。あわせて、中長期取引、供給力確保、計量など周辺制度も整理しています。

この制度で考える問い
海外制度のどの前提が自社の調達・需給運用に近く、どこは日本固有の制約で読み替える必要があるか。

前提・限界
本カードは報告書の調査範囲を紹介するもので、本文中の個別制度、数値、評価、提言を網羅しません。委託調査は政府の決定や公式見解そのものではありません。

著者・原典・実務との接点 →
日本・英国・イタリア・ベルギー・アイルランド・PJMの容量市場と、ドイツ・ベルギー・スウェーデンの戦略的予備力を制度設計と取引実態から比較しています。|公表 2026-07-31|過年度報告書の新規公表 対象年度 令和5年度

安定供給・脱炭素と市場参加者の行動を海外から読む

研究が示すこと(掲載済み要約)
同じ供給力確保でも、信頼度基準、調達時期、費用負担、価格決定、リクワイアメントとペナルティが国ごとに異なり、投資回収と電源行動への作用も変わります。

この制度で考える問い
日本の投資予見性を最も左右するのは、信頼度基準、オークション設計、未達ペナルティ、参加要件のどれか。

前提・限界
令和5年度事業の報告書が2026年7月31日に新規公表されたものです。主に2023年度調査・2024年時点の海外制度で、現行ルールは一次情報で再確認が必要です。

著者・原典・実務との接点 →
この制度に関する研究一覧 →
当サイトの解釈・検討する問い

取引所の指定と会員の実務要件を分ける

法令、取引所の指定、会員参加、商品・清算、システムの変更を別々に管理します。新法施行前でも現行規程に沿った記録・調査対応を維持し、新市場の確定要件を差分として加えます。

成り立つ条件・限界
指定を受けるのは取引所であり、参加者の自動認可や約定保証ではありません。具体的な報告様式・担保・接続・開始日は各市場の正式規程で確認が必要です。

次に確認すること
施行政令・指定告示・認可規程が公表された時点で、自社の資格、報告、担保、システムに追加対応があるか確認する。

解釈の確認日:2026-10-02
この解釈の根拠を確認制度の現在地と一次資料へ戻る
主な審議会・検討会改正電気事業法/経済産業省/電力・ガス取引監視等委員会/各市場運営者
直近の確認事項改正法7月24日公布・附則/JEPX取引規程8月31日改定
今回の変化取引所と参加者の責任を分離。法律上の指定基準・監督・経過措置と、現行JEPXの調査協力・BL清算規程を追加

期限・節目

一次資料

本ページは公開された一次資料を実務向けに整理したもので、法的助言ではありません。対応時は最新の法令・告示・ガイドライン・公式資料をご確認ください。