Policy Issue

PPA・環境価値の割当と需要家向け表示

PPAでは、電力の受渡し、価格精算、環境価値の帰属、需要家の排出量報告を別々に確認します。FIP電源の証書直接取引や親子会社での利用には条件があり、契約の名称だけで再エネ表示や排出係数ゼロを判断できません。

現行ルール・改定検討影響大制度資料の確認:2026-10-02ページ編集:
環境価値料金・営業調達・需給

現在地

確認できている方向性

温対法の現行算定と、GHG Protocolの改定検討を分けます。2026年7月の公式開発計画は統合ドラフトを2027年Q2、改訂基準公表を2028年Q4の見込みとし、時間・地域一致や既存契約の扱いは検討が続いています。

小売実務への示唆

発電所・運開日・制度区分・発電期間、証書の移転先と利用確定名義、顧客メニューを一つの台帳で照合します。出力制御・欠量時の代替証書、差金精算、制度変更で属性要件が変わる場合の費用負担を契約で決めます。

脱炭素・環境価値

制度の仕組み

  1. 発電と電力の受渡し
  2. 価格・欠量の精算
  3. 証書移転・利用確定
  4. 係数・表示・開示を照合

電気と証書の調達相手が同じでも、証書の利用者、期間、属性要件を確認します。PPAによる排出削減への貢献と、自社のScope2算定値も区別します。

制度検討作業部会の最終取りまとめと意見募集回答、JEPX規程、環境省の係数算定・Q&A、GHG Protocolの開発計画・意見集約を確認。制度変更への備えは当サイトの実務上の提案です。

現在地・経緯と対応

30秒で分かる現在の結論

PPA契約、証書の利用確定、需要家の報告・表示が整合して初めて環境価値を説明できます。現行の温対法、顧客の調達基準、GHG Protocolの改定案を混同せず、長期契約には将来の属性変更時の対応を用意します。

分かっていること

  • 非FIT再エネ証書の直接取引は対象電源に条件があります。第二十四次取りまとめは、FIP電源について運転開始日の制限を設けず直接取引を可能とする整理です。既設のすべての非FIT電源へ一律に広げたわけではありません(p.45)。
  • 需要家自身の調達と実質的に認められる場合、親会社口座の証書を子会社でも利用できる例外的な運用が整理されています。ただし、小売ライセンスを持つ需要家への融通は不可。小売ライセンスを持つ需要家から他社へ融通した証書も、高度化法義務達成には使えません(p.47、脚注39)。
  • JEPXの規程は口座残高の増減による受渡し、場外販売の記録管理、口座移動の凍結を定めます。2026年度分の口座移動終了日は2027年6月25日です(第21・23条、年度日程)。
  • 環境省の8月3日更新表は、2025年度排出量を2026年度に報告する際の係数です。通常の係数は2024年度実績、メニュー別係数は2025年度実績であり、参考値・残差の注記を読み分けます(係数表p.1)。
  • 契約メニューの係数が公表されていない場合は残差係数を使う取扱いです。残差相当の供給を受けているが残差が公表されていない場合に参考値を使う、という条件があるため、企業全体の参考値をすべての顧客へ一律適用しません(同p.1)。
  • 需要家が非化石証書で控除する量は、証書量×全国平均係数×補正率で算定し、電気事業者から受けた電気の使用量×調整後排出係数を上限とします。一定のグリーン電力証書由来量との合計にも上限があり、残高証明・仲介者の証明等が必要です(環境省Q&A該当項目)。
  • GHG Protocolの2026年7月計画は、統合案の意見募集を2027年Q2、改訂基準の公表を2028年Q4と見込んでいます。日程は変更可能で、施行日を確定したものではありません(開発計画pp.14、16)。

まだ決まっていないこと・個別に確認すること

  • 個別PPAの電力・証書・価格差・余剰の帰属と、欠量・停止・出力制御・契約終了時の補完責任。公表事例だけでは契約条件は分かりません。
  • GHG Protocol改定の最終要件。時間一致、供給可能性を示す地域条件、標準供給サービス(SSS)、小規模者の例外、既存長期契約の移行措置は意見募集後の検討対象です。
  • 将来の国際基準と日本のFIT/FIP・高度化法・証書制度との最終的な整合。現時点の案から「すべてのFIT証書が利用不可になる」とは結論付けません。
  • 個別需要家のRE100等の報告適格性、発電所の運開年や属性の条件、顧客独自の時間・地域要件。国内制度で使えることだけでは充足を判断できません。

小売が今やること

以下は一次資料を踏まえた当サイトの実務上の提案です。

  1. オンサイト・フィジカル・バーチャルの各契約について、電力、金銭、環境価値の受渡先を別々に記録する。バーチャルPPAでは電力調達契約も別に確認し、証書の対価と電力価格のヘッジ効果を同一視しない。
  2. 発電所ID、所在地、運開日、FIP等の制度区分、対象発電期間、証書量、移転先、利用確定名義、顧客・メニューへの割当量を突合する。同じ量を複数需要家へ割り当てない。
  3. 需要家が証書を直接利用する方式か、小売のメニュー係数に反映する方式かを明確にする。同じ価値を係数低減と需要家控除の双方で重ねて主張しないよう証憑を確認する。
  4. 顧客へ渡す係数に、報告対象年度、係数の実績年度、基礎・調整後、メニュー名、残差・参考値、出典更新日を添える。2026年の最新版という理由だけで別年度の排出量へ流用しない。
  5. 不足時の補完を数量だけで定めず、再エネ指定・発電期間・設備属性を含めて定める。属性を満たす補完ができない場合の表示変更・返金等の対応を協議する。
  6. 長期PPAでは、国際基準の変更時に必要な時間別データの提供可否、代替証書の費用、契約の再協議・終了条件を確認する。未確定の改定案への適合を無条件で保証しない。

当事者が判断したいこと

電気を買えば環境価値も自動的に取得するか

電力と非化石価値を分離して取引する場合があります。電力売買契約の名称だけでなく、証書の移転と利用確定を確認します。発電所由来の電気を調達しても、その環境価値を別の相手へ販売していれば、同じ価値を自社・需要家で重ねて主張できません。

親会社がまとめて証書を買えば全グループへ自由に配れるか

例外的取扱いの範囲と利用確定名義の確認が必要です。特に小売ライセンスを持つ会社が含まれる場合には、取りまとめp.47の禁止・利用制限を確認します。

FIT証書を自家発・自家消費の排出量にも充当できるか

5月の政府回答No.27は、非化石証書の活用対象を小売電気事業者から供給された系統由来の電気とする整理を維持しています。需要家の証書控除には環境省Q&Aの上限もあるため、自家発分への自由な充当は前提にできません。

小売がVPPAを仲介すれば自社の高度化法義務に使えるか

そのような個社への実績帰属を求めた意見に対し、国は需要家直接取引量を2026年度の目標算定で考慮する仕組みを説明し、要望は今後の参考としています。仲介した証書量を自社義務へそのまま算入できる制度が導入された、とは読めません(回答No.23・25)。

時間・地域一致はすでに全需要家の義務か

2026年7〜8月の資料は改定計画と意見集約で、改定基準の最終決定ではありません。顧客が独自に求める条件は別として、将来案を現行の全国一律義務として説明しません。時間別データを確保する準備と、現行ルールによる報告を分けて進めます。

提出意見と回答

  • 需要家は環境価値の長期確保と既存電源からの直接取引、発電側はFIP転換後の販路・収益確保を求めました。取りまとめはFIP電源の運開日制限を外す一方、既存非FIT全般への拡大は証書需給と義務達成への影響を留保しています(pp.45~46)。
  • PPAや新規電源の追加性を高度化法で優遇してほしいという意見に対し、国は既存電源の維持も重要とし、今後の検討の参考と回答しています。PPAを結んだだけで法定義務が追加的に軽減されると解釈しません(回答No.28・30)。
  • GHG Protocolへの意見では、時間・地域一致に対する実装負担やPPA投資への懸念と、主張の正確性を高めるべきとの見方が分かれました。事務局・基準委員会は複数の報告方法を追加検討する方向で、意見の多寡を採否決定として扱いません(7月要約pp.5~7、10)。
  • 8月の意見集約には、日本の全国的な非化石証書管理による重複防止を重視する意見や、FIT等をSSSへ分類すると任意調達できる証書が縮小する懸念が記載されています。これは提出者の意見であり、日本の証書が不適格となる決定ではありません(pp.81、90)。

議論の経緯

係数算定・公表ルールを改正

基礎・調整後係数とメニュー別算定・公表を整理。

第二十四次取りまとめ・回答

FIP直接取引、グループ利用、蓄電池の価値認定等を確認。

GHG Protocol開発計画・意見集約

統合基準の2027年Q2草案、2028年Q4公表の見通しを提示。

電気事業者別係数を更新

2025年度排出量の2026年度報告用係数を追加・更新。

Scope2意見集約の更新版

時間・地域一致、SSS、既存契約等の多様な意見を公表。

自社条件によって確認すること

公表事例の比較|確認 2026-10-29

PPA:電力の供給先と環境価値の帰属を比べる

既存3事例は環境価値・供給先の違いを示します。広域機関の10月28日検証では、北海道で9月2日・5日・6日・12日・22日・25日に需給バランス制約の出力抑制があり、9月2日は前日指示のない当日制御でした。

表は横にスクロールできます。

案件・主体発表と段階規模・仕組み市場・価値の配分未公表事項・限界
ほくほくFG・丸杉の余剰活用

Sustech:設備・運用/丸杉:自家消費/ほくほくFG:環境価値調達

契約締結を公表

公表 2026-09-08

契約締結の公表(締結日ではない):2026-09-08

オンサイト375MWh/年、VPPA対象1,159MWh/年(いずれも予定)

丸杉が現地で自家消費し、余剰電力を市場で活用

余剰分の環境価値をほくほくFGが20年間調達電力と環境価値の帰属を分けて確認。価格条件、差金精算方式、出力制御時の扱いは未公表。
野村不動産グループの拠点配分

私募ファンド:発電資産保有/デジタルグリッド:配分・管理/野村不動産グループ:需要拠点

仕組み提供を公表

公表 2026-09-07

仕組み提供の公表(供給開始日は不明):2026-09-07

オフィスビル等25拠点。対象電力量は未公表

複数発電所の環境価値を複数需要拠点へ配分するバーチャルPPA

FITからFIPに移行した案件の非FIT非化石価値も活用電力と環境価値の一体管理は公表済み。各拠点の物理供給契約、価格、割当ルールは原典・契約で確認。
すかいらーく北海道14店舗

HARE晴れ:発電所所有/北海道電力:小売供給/すかいらーく:需要家

発電所運転開始

公表 2026-09-11

太陽光発電所の運転開始:2026-09-11

出力約360kW、想定発電量490MWh/年、14店舗

北海道電力を介して電力を届けるオフサイトPPA

年間約250tのCO₂削減は会社の見込み。発電・削減実績ではない料金、契約期間、不足電力の補給条件、発電変動・出力制御の負担配分は未公表。

選定した公表事例の比較です。網羅的な企業ランキングではありません。各行から新着の共通整理・一次資料へ移動できます。

比較を読むためのデータ・研究

個別契約価格・精算条件は未公表です。広域機関の指令妥当性検証は、個別PPAの補償・環境価値精算を確定しません。

この違いから考える実務への示唆 →

業界各社の動き・関連する新着

公表された事実と、制度への接点を分けて読みます。掲載日は出来事の発生日・適用日とは異なる場合があります。

掲載 2026-10-27|PPA締結公表・11月1日のサービス開始予定|対象日 2026-10-26(公表)/2026-11-01(開始予定)

UACJ福井へ自営線PPA、11月から20年間の供給を予定

UACJと北陸電力グループは10月26日、北電BESTが工場敷地外の太陽光発電所から自営線を介してUACJ福井製造所へ供給するPPAを公表した。パネル容量は7,430kW、想定発電量は年8.5GWhで、11月1日にサービスを開始し、契約期間は20年間とする予定だ。年間27,694tのCO2削減と再エネ化率23.5%は、北陸電力の再エネ料金メニューと合わせた見込みであり、このPPA単独の効果ではない。

  • 北陸電力ビズ・エナジーソリューション:発電所・自営線の開発と電力供給
  • UACJ:福井製造所の需要家
  • 北陸電力:再エネ料金メニューの提供

制度との関係(編集上の整理)
自営線による敷地外太陽光PPAと再エネ料金メニューを併用する事例であり、電力の供給経路と環境価値の表示範囲を分けて確認する材料となる。年間CO2削減量と再エネ化率は両者の合算見込みで、PPA単独の効果や証書の個別帰属は確認できない。

事業上の確認点
需要家とPPA事業者は、自営線の建設・維持管理を含む費用と責任分界を、系統経由の調達と比較する材料にできる。環境価値の説明では、PPA分と料金メニュー分の電力量・削減量を分け、契約上の帰属と報告範囲を確認したい。

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掲載 2026-10-17|余剰電力の市内供給開始・蓄電池活用は実現可能性の調査予定|対象日 2026-10-16

川崎市の学校太陽光、3校の余剰電力を市内へ供給開始

TNクロスは川崎市、川崎未来エナジー、東芝と連携し、10月16日から市立学校の太陽光発電による余剰電力を川崎市内へ供給する取り組みを始めた。対象は3校、想定年間供給量は約60MWhから開始し、順次拡大する予定。PPA事業者のTNクロスが設置した設備の余剰電力について、東芝が電力需給調整を行い、川崎未来エナジーが市内の公共施設や事業者等へ売電する。学校に設置した蓄電池を活用するエネルギーマネジメントは、今後の実現可能性調査・検討の段階である。

  • TNクロス:PPA事業者・太陽光発電設備の設置主体
  • 東芝:余剰電力の需給調整
  • 川崎未来エナジー:市内の公共施設・事業者等への売電
  • 川崎市:市立学校を含む地域内供給の連携主体

制度との関係(編集上の整理)
学校に設置したPPA設備の余剰電力を、需給調整を担う東芝と売電を担う川崎未来エナジーを介して地域へ供給する事例であり、電力の受渡先と各主体の役割を分けて理解する材料になる。環境価値の具体的な帰属・証書利用条件は今回の資料では確認できず、蓄電池のエネルギーマネジメントも今後の調査・検討段階である。

事業上の確認点
自治体、PPA事業者、地域小売は、学校で使う電力と地域へ売る余剰電力を分け、需給調整と売電の役割を契約・運用に落とし込む事例として参照できる。約60MWhは想定値であり、環境価値の帰属や需要家向け表示の条件、蓄電池活用の効果は別途確認する必要がある。

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掲載 2026-10-03|包括協定締結・案件取得前|対象日 2026-10-02

関西電力、既設FIT太陽光約300カ所の再生モデルを構築

関西電力、E-Second、アポロは10月2日、既設FIT太陽光発電所のリパワリングと買取・長期運用を組み合わせる包括協定を締結した。アポロが発電所を仕入れてリパワリングし、E-Secondが取得・運用、関西電力がFIP移行やコーポレートPPAの組成を担う。E-Secondは今後3年間で約300カ所の取得を目指す段階であり、取得済み件数ではない。

  • 関西電力株式会社:FIP移行・コーポレートPPA組成
  • E-Second合同会社:発電所の取得・長期管理・運用
  • 株式会社アポロ:発電所の仕入れ・リパワリング

制度との関係(編集上の整理)
既設FIT太陽光の取得・リパワリング、FIP移行、関西電力によるコーポレートPPAの組成を組み合わせる役割分担が、固定価格買取後を見据えた再エネ電源の契約・環境価値活用モデルを具体化する。約300カ所は今後3年間の取得目標であり、取得済み件数ではない。

事業上の確認点
既設太陽光の保有者・投資家は、FIT残存期間、設備更新費、出力・劣化、土地・系統契約、FIP移行後の市場価格を一体で評価する必要がある。需要家と小売は、PPAの電源特定、環境価値、追加性の説明、未発電時の代替調達を契約で明確にしたい。

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関連事例をすべて見る(16件)
掲載 2026-10-02|契約締結・環境価値提供開始|対象日 2026-10-01

FIP移行風力の環境価値、トヨタ系3社へ年6,000万kWh相当を供給

ユーラスグリーンエナジーは、FIPへ移行した連系容量51,000kWのユーラス由利高原ウインドファームを使い、トヨタ紡織、東海理化、中央精機と個別にバーチャルPPAを締結した。10月1日に環境価値の提供を開始し、3社へ非FIT非化石証書を年間約6,000万kWh相当供給する。3社合計で年間約26,580トンのCO2削減を見込む計画であり、実績値ではない。

  • ユーラスグリーンエナジー:アグリゲーター・環境価値提供
  • ユーラス由利高原風力:FIP移行済み風力電源の運営
  • トヨタ紡織・東海理化・中央精機:環境価値の購入

制度との関係(編集上の整理)
FIP移行済み陸上風力の電力を市場等で扱いながら、非FIT非化石証書による環境価値を3社へ供給するバーチャルPPAの実例であり、電力と環境価値の流れを分けた契約実務を補足する。

事業上の確認点
需要家は、証書の発電期間、電源属性、受渡し、無効化、未達時の代替調達を契約条件で確認する必要がある。発電・アグリゲーション事業者は、FIP電力の市場販売と環境価値の長期契約を分けて収益・数量リスクを管理したい。

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掲載 2026-09-12|発表内容は本文・原典で確認

北広島の太陽光360kWが運転開始、道内14店舗へ供給

北海道電力、すかいらーくホールディングス、HARE晴れは9月11日、北広島市のオフサイトPPA用太陽光発電所の運転を開始した。出力は約360kW、年間想定発電量は約49万kWhで、北海道電力を通じて道内14店舗へ供給する。年間約250トンのCO2削減は3社の見込みであり、実績値ではない。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
発電・小売・需要家は、複数店舗への供給量配分、発電不足時の補完、環境価値の帰属、長期契約の精算条件を継続管理する必要がある。設備容量だけでなく、店舗負荷との時間帯別一致と実発電量を検証したい。

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掲載 2026-09-09|契約締結・供給量は計画|対象日 2026-09-08(公表)

自家消費後の余剰電力と環境価値を分ける20年PPA

ほくほくフィナンシャルグループ、丸杉、Sustechは、オンサイトPPAとバーチャルPPAを組み合わせた再エネ調達契約を締結した。丸杉の拠点では太陽光電力を自家消費し、余剰電力を市場などで売却する一方、余剰分に対応する環境価値をほくほくフィナンシャルグループが長期購入する。複数案件の年間供給量はオンサイト375MWh、バーチャルPPA1,159MWhを計画しており、いずれも実績値ではない。

  • 丸杉:自家消費する拠点
  • ほくほくフィナンシャルグループ:余剰分の環境価値を長期購入
  • Sustech:契約スキームを提供

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
小売・需要家は、物理電力の供給先、余剰電力の売却、環境価値の移転・償却、発電不足時の精算を契約上明確にする必要がある。20年契約では設備性能、需要変動、市場価格、追加性の説明を継続管理することが重要になる。

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掲載 2026-09-08|発表内容は本文・原典で確認

FIP移行した屋根置き太陽光の環境価値をオフィス25拠点へ配分

デジタルグリッドは、野村不動産投資顧問が組成した私募ファンドの屋根置き太陽光発電所を使い、バーチャルPPAによる再エネ調達の仕組みを提供した。複数の発電所で生じる環境価値を、野村不動産グループが保有・運用するオフィスビルなど25拠点へ配分し、電力と環境価値を同社プラットフォームで一体管理する。対象にはFITからFIPへ移行した発電所の非FIT非化石価値が含まれる。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
需要家は、複数電源と複数需要拠点を束ねることで、拠点別の使用量に合わせて環境価値を配分しやすくなる。一方、実務では物理的な電力供給と環境価値の移転を区別し、非化石証書の償却、発電量不足時の補完、精算方法、契約終了時の扱いを確認する必要がある。

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掲載 2026-09-04|発表内容は本文・原典で確認

企業向け再エネ固定価格調達、1年契約から選択可能に

デジタルグリッドは9月3日、高圧・特別高圧の法人需要家が再生可能エネルギー由来の電力を固定価格で調達するサービスを、9月7日に開始すると発表した。一般に10~20年程度となる再エネPPAに対し、契約期間を1年から選べるとしている。使用電力の一部を対象にできるため、全需要を固定価格化するサービスではない。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
需要家は長期契約を避けながら、市場価格に連動する調達量の一部を固定化する選択肢を持てる。比較時には固定単価と対象電力量だけでなく、負荷との時間帯不一致、環境価値の帰属、中途解約条件、既存小売契約との関係を確認したい。

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掲載 2026-09-03|発表内容は本文・原典で確認

アマダ、国内4製造拠点へ計5.4MWのオンサイトPPA

アマダは9月2日、富士宮、土岐、小野、福島の4製造拠点に、合計5,383.5kWの太陽光発電設備を20年間のオンサイトPPAで順次導入すると公表した。想定年間発電量は約6,000MWhで、土岐・福島・小野は2026年中に運転を始めており、富士宮は2027年6月の開始予定である。既設分を含む国内製造拠点の太陽光パネル容量は計6,436.8kWとなり、国内全拠点の年間使用電力の11%相当としている。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
製造業の需要家は、複数工場を同一方針で束ねながら、屋根設置と遊休地設置を使い分ける調達モデルを比較できる。20年契約では、工場別の需要変動、屋根改修、設備性能、PPA事業者の信用力、未稼働拠点の工程を個別に管理する必要がある。

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掲載 2026-08-25|発表内容は本文・原典で確認

サンデン長沼工場、1.5MWの屋根太陽光を20年PPAで導入

永輝商事は、サンデン長沼工場で約1.5MWの自家消費型太陽光による供給を2026年4月に始めた。契約期間は20年で、永輝商事が設備を保有し、運用・維持管理を担う。年間想定発電量は約135万kWh、年間GHG削減見込みは約560トン。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
需要家は初期投資と維持管理負担を抑えながら、調達の一部を長期安定化できる。一方、20年契約では生産量変動、工場閉鎖、屋根改修、性能保証、環境価値の帰属、中途解約精算が主要な評価項目になる。

発表段階・一次資料を確認 →
掲載 2026-08-25|発表内容は本文・原典で確認

物流施設の屋根太陽光を九州新幹線の運転電力へ供給

JR九州、九州電力など5社は、九州新幹線鹿児島ルートの運転用電力にオフサイトPPAを導入する。福岡・佐賀県の物流施設屋根に約8,000kWdcの太陽光を設け、年間約980万kWhを九州電力経由で供給し、2027年8月から順次開始する。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
鉄道のような大規模需要でも、複数の屋根を束ねて追加的な再エネを確保するモデルが成立し始めている。契約評価では時間別の発電・負荷不一致、補完調達、各施設の開発遅延、出力保証を一体で管理したい。

発表段階・一次資料を確認 →
掲載 2026-08-17|発表内容は本文・原典で確認

広畑バイオマスの環境価値、JR東日本へ年5.3億kWh分供給

JR東日本と大阪ガスなどは、広畑バイオマス発電所をFITからFIPへ移し、8月から年間約5.3億kWh分の環境価値をバーチャルPPAでJR東日本へ供給し始めた。大阪ガスが電気と環境価値を全量購入し、電気はJEPXなどへ売却、非FIT非化石証書はJR東日本へ渡す。発電容量は7万5,000kWで、年間約22万トン、JR東日本の排出量の約12%に相当する削減効果を見込む。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
物理的な電力供給と環境価値の購入を切り離す大型案件であり、既存FIT電源のFIP移行を支える契約例となる。需要家は証書の受渡しと実際の電力供給を区別し、発電停止時の価値不足、燃料の持続可能性、FIP収入を含む契約条件を確認する必要がある。

発表段階・一次資料を確認 →
掲載 2026-08-14|発表内容は本文・原典で確認

中部電力ミライズ、非化石証書業務へRe:lvisを導入

BIPROGYは、中部電力ミライズへの環境価値管理サービスRe:lvisの提供を開始した。非化石証書の入札、購入、需要家への割当、管理をSaaS上で処理し、手作業中心だった工程を一元化する。BIPROGYによれば、旧一般電気事業者による同サービス採用は初めてである。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
非化石証書の調達量と顧客別割当を同じ基盤で扱うことで、担当者依存や転記ミスを抑えやすくなる。小売事業者は作業時間だけでなく、割当履歴の追跡可能性、権限管理、制度変更時の改修速度を導入評価に含める必要がある。

発表段階・一次資料を確認 →
掲載 2026-07-29|発表内容は本文・原典で確認

パナソニック拠点へ水力由来電力、2026年12月からオフサイトPPA

東京電力リニューアブルパワーとパナソニック オペレーショナルエクセレンスは、戸賀川発電所などの水力電源を使うフィジカル型オフサイトPPAを締結した。2026年12月から関西の複数拠点へ供給し、年間約2,000トンのCO2削減を見込む。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
既設水力を企業需要家の長期脱炭素調達へ結び付ける契約例となる。需要家は追加性の説明、環境価値の帰属、需給差の補給条件を確認し、発電側は安定収入と市場販売機会の比較が必要になる。

発表段階・一次資料を確認 →
掲載 2026-07-28|発表内容は本文・原典で確認

秋田県営水力100%メニュー、6~49kVAへ対象拡大

秋田県営水力の電気を使う「水のチカラ~あきたeでんきplus~」を、東北電力フロンティアと県が開始した。契約容量6~49kVAの家庭や小規模事業所まで利用範囲を広げ、従来の60A以下に加えて移住・子育て世帯向けの料金特典も用意する。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
地産電源の環境価値を地域政策と顧客獲得へ結び付ける小売モデルだ。電源量との整合、環境価値の帰属、割引終了後の継続率を追う必要がある。

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掲載 2026-07-11|発表内容は本文・原典で確認

関西電力、既設原子力・水力を使う法人PPAの相談受付を開始

関西電力は、既存の原子力・水力発電所から電気と環境価値を長期供給するオフサイト型コーポレートPPAの相談窓口を設けた。同社は、原子力由来の電気を物理的に供給する国内初の枠組みとして提案している。

制度との関係(編集上の整理)
電力、資金、環境価値の3つの流れを対応付けます。電力を物理的に届ける契約と環境価値の契約を区別します。

事業上の確認点
大口需要家には天候変動の小さい脱炭素電力を長期確保する選択肢が増える。契約設計では停止・出力低下時の代替電源、環境価値の帰属、価格改定、既設電源に関する追加性の説明を明確にする必要がある。

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データから見る背景

東京エリア家庭向け料金マスター

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東京家庭向けの料金方式・契約条件を確認。託送・容量・炭素費用が独立費目として転嫁されるかは各社約款によって異なります。政府支援等を含まない参考試算です。

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研究から得られる補助線

政府委託調査/取組評価・分析|公表 2026-08-24| 対象年度 令和7年度

省エネ・非化石転換の取組を部門別に捉える

研究が示すこと(掲載済み要約)
産業、業務、家庭、運輸、エネルギー転換の各部門について需要側対策を棚卸しし、省エネ、電化、燃料転換、工程変更、CCUS、原料転換・リサイクルなど、エネルギーとCO₂への作用が異なる手段に分類しています。

この制度で考える問い
重点顧客の業種・工程ごとに、どの対策が使用電力量を減らし、どの対策が電化によって新たな電力需要と非化石調達を生むか。

前提・限界
本カードは報告書の調査範囲を紹介するもので、評価手法、対象、個別の分析結果を網羅しません。委託調査は政府の決定や公式見解そのものではありません。

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2023年度定期報告データ、国内外制度比較、事業者ヒアリング等により、電力供給業のベンチマークとデータセンター・通信業の制度課題を検討しています。|公表 2026-08-28| 対象年度 令和7年度

電力供給・データセンター等の省エネ法制度

研究が示すこと(掲載済み要約)
電力供給業では省エネ法ベンチマークとGX-ETSの対象範囲の違い、データセンター・通信では指標設計と対象事業者の捕捉が継続課題と整理しています。

この制度で考える問い
省エネ法ベンチマーク算定・報告は制度変更に追随でき、顧客提案に使う指標定義も揃っているか。

前提・限界
主に2023年度実績と調査時点の制度・事業者回答に基づき、指標見直しや通信分野の対象化は決定事項ではありません。

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関連する研究をすべて見る(4件)
非FIT電源・電力量の認定実務、情報基盤と申請上の課題、海外制度、電源証明型への移行論点、需要家ヒアリングを整理しています。|公表 2026-07-31|過年度報告書の新規公表 対象年度 令和5年度

非化石電源認定と非化石証書の価値を確認する

研究が示すこと(掲載済み要約)
証書の信頼性は電源・電力量データの整合と認定実務に支えられ、電源証明型への移行には電源構成表示や関連制度との調整が必要と示しています。

この制度で考える問い
顧客のScope2、RE100、電源構成表示に必要な属性を、現在の証書調達とデータ管理で説明できるか。

前提・限界
令和5年度事業の報告書が2026年7月31日に新規公表されたものです。2024年3月時点の制度運用とヒアリングが中心で、その後のルール変更は別途確認が必要です。

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電気事業者から根拠資料を収集し、電力調査統計、FIT調達量、相対契約、非化石証書・国内クレジット等との整合を確認して事業者別係数等を算定しています。|公表 2026-07-31|過年度報告書の新規公表 対象年度 令和5年度

事業者別CO2排出係数の算定・集計を確認する

研究が示すこと(掲載済み要約)
排出係数を報告した事業者は773社で初めて減少に転じ、基本的な記載・算定誤りも多く、係数と同じくデータ連携・報告手順の精度が重要と分かります。

この制度で考える問い
顧客向けのCO2フリー表示に用いる係数は、どの年度・算定区分・環境価値の無効化記録に結び付いているか。

前提・限界
令和5年度事業の報告書が2026年7月31日に新規公表されたものです。2023年度の算定・報告実務で、現在有効な個別係数や最新様式そのものではありません。

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当サイトの解釈・検討する問い

PPAの契約・証書・報告を同じ量で照合する

小売の提案は、電力供給、価格差の精算、環境価値の帰属と利用確定、需要家の算定・表示を分けると比較できます。長期PPAでは数量不足だけでなく、代替証書が顧客の属性要件を満たさない場合の費用と表示も取り決めます。

成り立つ条件・限界
個別PPAの価格・精算条件は公表事例だけでは確認できません。出力抑制指令の妥当性検証は個別契約の補償・環境価値精算を確定しません。2028年Q4はGHG Protocol改訂基準公表の見込みで、現行契約の適格性喪失日や新ルールの施行日ではありません。

次に確認すること
発電量・対象期間・顧客名義・利用確定・メニュー係数を照合し、欠量と制度変更時の補完責任を契約で示せるか。

解釈の確認日:2026-10-29
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主な審議会・検討会制度検討作業部会/JEPX/環境省・資源エネルギー庁/GHG Protocol・ISO
直近の確認事項2026年10月2日確認:非化石取りまとめ・回答、8月3日係数表、GHG Protocol7月計画・8月意見集約
今回の変化FIP直接取引とグループ利用の例外、最新係数表の年度・残差、需要家の控除上限、Scope2改定の現状を追加

期限・節目

一次資料

本ページは公開された一次資料を実務向けに整理したもので、法的助言ではありません。対応時は最新の法令・告示・ガイドライン・公式資料をご確認ください。