Evidence / Insight / Practice
洋上風力の費用見直しは、物価と為替を分けて読む
風力発電等導入支援事業/洋上ウィンドファーム開発支援事業/我が国における洋上ウィンドファーム等の事業性に関する調査 中間報告
要点
確認した内容
着床式洋上風力のモデル例では、資本費が2024年度モデル比で、項目別のコスト上昇を反映すると1.38倍、円換算の為替を10年平均から5年平均へ変えると併せて1.52倍になった。国内の完成案件で観測した上昇率ではない。
電力実務への示唆
洋上風力の電源調達やPPAを検討する際は、費用の見直しを設備・施工の価格変化と為替条件に分ける。発電事業者の見積りに、系統接続費、国内の供給網・施工条件、利潤がどう反映されているか確認する。
| 資料種別 | 研究報告 |
|---|---|
| 研究の方法 | モデル試算 |
| 根拠の種類・対象 | 自然条件と設備・施工費を積み上げるエンジニアリングコストモデルの更新。着床式モノパイルの項目別補正と円換算条件を変更し、欧州プロジェクトの投資決定時費用や公開報告の運転維持費と照合した。 |
| 収録区分 | 新着・既存研究 |
| 判断に使う業務 | 小売経営・リスク管理 |
| 作成者・受託者 | 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
| 実務との接点 | 電力事業に直接 |
| 担当業務 | 経営企画・事業開発、調達・需給、環境価値・再エネ |
| 公表日の確認 | NEDO公式ニュース一覧に2026-09-08公表。本文表紙は2026年9月、更新対象は2025年度の着床式モデル。為替は2021〜2025年の5年平均。浮体式の章は2024年度版の再掲で、新成果に数えない。 |
| 原典の該当箇所 | p.2、7、12〜16(PDF同頁);p.20〜30(PDF同頁)、表2.11;p.49〜51(PDF同頁)、図2.24・2.26;p.52〜54、83〜84(PDF同頁) |
| 日本で使う条件 | 日本の洋上風力を調達候補に加える際、古いコストモデルと新しい事業者見積りの差を分解する補助資料として使える。案件の供給開始時期、国内調達・施工、接続費、収益条件は個別確認が必要で、試算倍率を調達価格へ一律に乗じない。 |
| 検討に使う問い | 電源候補の費用改定は、設備・施工の値上がりと為替の変更を分けて説明できるか。 |
| 読み取り上の限界 | 欧州並みのインフラ・供給網が整った日本を想定するモデルで、内外価格差や利潤、系統接続費を含まない。欧州の検証データには投資決定時点の案件費用が含まれ、国内の実現費用・PPA価格・入札上限価格を示さない。浮体式は今回の更新対象ではない。 |
NEDO 洋上ウィンドファーム事業性調査・2026年9月中間報告(PDF・91頁)
要約と実務上の示唆は当サイトによる整理です。引用・判断時は原典本文をご確認ください。