Policy Issue

インバランス料金・需給管理

10月のインバランス算定見直しと、9月29日に広域機関が提示した「広域過不足率」の料金反映案は別の検討です。後者の試算に使った200円/kWhを、10月以降の補正料金の上限として扱わないよう注意が必要です。

広域ひっ迫信号案を検討影響大制度資料の確認:2026-10-02ページ編集:
調達・需給

現在地

確認できている方向性

国の改正説明は補正料金のC値300円/kWh・D値50円/kWhと累積価格閾値制度を整理しています。一方、広域過不足率を料金へ反映する方法は、10月以降の新算定の運用を見ながら検討する段階です。

小売実務への示唆

受渡日ごとに適用される算定式と公表単価を管理し、自社の不足量・余剰量・委託契約を同じ30分単位で照合します。市場調達の高値が続く場合の資金負担と、補正料金の上限が変わる条件を分けて試算します。

短期市場・柔軟性

制度の仕組み

  1. 需要予測・計画提出
  2. 時間前調整
  3. GC
  4. 計画と実績の差
  5. 精算

GCは計画変更の締切です。エリア・受渡時刻ごとの過不足電力量と単価を対応付け、BG委託契約の負担者を確認します。

公開一次資料と意見募集の回答を確認。実務対応は当サイトの解釈です。個社の運用完了や未取得の最終資料は確認範囲に含みません。

現在地・経緯と対応

30秒で分かる現在の結論

10月のインバランス算定見直しと、9月29日に広域機関が提示した「広域過不足率」の料金反映案は別の検討です。後者の試算に使った200円/kWhを、10月以降の補正料金の上限として扱わないよう注意が必要です。

分かっていること

  • 国の改正説明では補正料金のC値を300円/kWh、D値を50円/kWhへ見直す内容を整理
  • 沖縄電力は10月1日第1コマからの算定ロジック変更を9月28日に公表
  • 9月29日の広域過不足率の料金反映は試算・検討段階。料金への最終的な組込みは未決定

まだ決まっていないこと・個別に確認すること

  • 広域過不足率の料金反映方法・開始時期
  • 改正後の算定ルールの適用範囲と、最新の一般送配電事業者公表単価・訂正情報
  • 個社契約の精算条件・料金訂正時の扱い

価格が長く高いときの措置は何を抑えるか

国の改正説明では、対象日の直前7日間にスポットのエリアプライスが200円/kWh以上となったコマが累積30コマに達すると、翌日から補正インバランス料金の上限を100円/kWhとする仕組みを示しています。解除は直前7日間の100円以上のコマがゼロになった時点で、発動と解除の閾値が異なります。沖縄の判定指標はインバランス料金です。

この措置は補正インバランス料金を対象とするため、小売が支払うスポット調達費やBG委託費、全体の損失を一律100円/kWhへ抑える制度とは扱えません。実際の精算には最新の適用資料・公表単価・契約を確認します。

パブコメで小売が懸念した点は何か

2025年6月の意見回答には、高騰負担を抑える措置の発動条件、情報格差、時間前システム移行の準備期間への懸念が載っています。政府は措置の事後検証や情報公表の継続的な改善を示しました。将来の単価を完全に予測できる、あるいは一定の採算を保証する回答ではありません。

広域過不足率を加えれば何が変わるか

広域機関の9月資料は、小売の不足傾向があっても追加供給力対策で広域予備率が回復し、その不足傾向が料金へ反映されにくい場合を検討しています。ただし、広域予備率が十分高いときも広域過不足率が不足を示す場合があり、新指標だけで料金を上げる扱いは適切でないとしています。

2025年東京ブロックの試算では、予備率8%未満の32コマの平均が74円から86円/kWhへ上がり、200円/kWhとなるコマが6コマでした。これは当時の料金カーブに新指標を加えた感応度です。現在の全地域の平均単価や、10月改正後の実績を示す数字ではありません。

小売が今やること

  • 10月前後で使う単価・算定式・取得日を記録し、誤算定の訂正にも対応する
  • 自社の30分別の不足量・余剰量を分け、BG受託先との負担条件に沿って試算する
  • 累積価格閾値の発動・解除条件を区別し、スポット調達費の上限と誤認しない
  • 新指標が将来導入される場合に必要な情報を洗い出すが、未決定式を本番の請求へ組み込まない

議論の経緯

  • 2025年4〜5月:中間とりまとめ改定の意見募集
  • 2025年6月27日:価格負担・情報格差・システム移行への意見と回答を公表
  • 2026年6〜7月:省令・告示改正案の意見募集
  • 2026年9月29日:広域過不足率の試算を提示
  • 2026年10月:従来の算定見直しと新指標の検討を分けて追跡

自社条件によって確認すること

同じ時点で比べるための条件

指標比較単位解釈の限界
インバランス料金東京・受渡日・30分コマ・不足/余剰単価だけでは自社損失にならない
需給計画・予備率同じ受渡日・コマと情報公表時点需要実績ではない。計画の改定を区別
スポット東京/時間前スポット東京の対象コマ/時間前は全国集計全国の時間前平均と東京単価を同一市場の差益にしない

下の需給・インバランス詳細画面で日付を選択します。過去ニュースの200円/kWhと現在の公表値は同じ日の値とは限りません。

業界各社の動き・関連する新着

公表された事実と、制度への接点を分けて読みます。掲載日は出来事の発生日・適用日とは異なる場合があります。

掲載 2026-10-22|広域予備率5%未満見通し・焚き増し依頼と需給改善指示を実施|対象日 2026-10-21

関西の供給力不足、広域融通と自家発焚き増しで対応

電力広域的運営推進機関は10月21日、中部・北陸・関西の広域予備率が5%を下回る見通しを受け、15時30分から18時まで自家用発電設備の焚き増しと、可能な範囲での時間前市場への入札を会員へ依頼した。同日、関西電力送配電の供給力不足に対し、15時09分、15時40分、16時06分の3回、東京・中部・北陸・中国から関西への供給を指示した。指示量は時間帯ごとに99万kW、83.0036万kW、最大90万kWで、連系線のマージンを使用した。依頼への対応量や時間前市場の約定量、需給改善後の実績は公表資料では確認していない。

  • 電力広域的運営推進機関:焚き増し協力依頼・需給状況改善指示
  • 関西電力送配電:広域融通による電気の供給を受ける一般送配電事業者
  • 東京電力パワーグリッド・中部電力パワーグリッド・北陸電力送配電・中国電力ネットワーク:広域融通による供給を指示された一般送配電事業者
  • 自家用発電設備を保有する会員:可能な範囲での焚き増し・時間前市場入札の協力対象

制度との関係(編集上の整理)
広域予備率5%未満の見通しに対して自家発焚き増しと時間前市場への入札を依頼し、関西エリアの供給力不足に3回の広域融通指示を実施した事例であり、需給ひっ迫時のインバランス管理と広域運用の実務を具体化する。指示量は市場約定量や最終的な不足量を示すものではない。

事業上の確認点
小売・BG、発電事業者、需要家は、広域予備率5%未満の局面で、自家発焚き増し、時間前市場への追加入札、連系線マージンを使う広域融通が実務上の対応手段となることを確認したい。今回の指示量を市場約定量や最終的な不足量と同一視せず、インバランス管理と自家発の運用手順を点検する必要がある。

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掲載 2026-09-29|新シグナルの公表案・料金反映は継続検討|対象日 2026-09-29

広域過不足率を新たな需給シグナルとして公表する案

OCCTOは9月29日の委員会資料で、小売事業者の調達不足を表す広域過不足率を新たな需給シグナルとして示す案を提示した。2025年の東京ブロック実績による試算では、広域予備率8%未満の平均インバランス料金は74円/kWhから86円/kWhへ上昇し、6コマが上限200円/kWhに達した。料金算定への反映は決定事項ではなく、2026年10月1日以降の新算定式の状況を見ながら検討を続ける段階である。

  • 電力広域的運営推進機関:広域過不足率の設計・公表案提示
  • 小売電気事業者・BG:需給管理とインバランス料金の影響対象

制度との関係(編集上の整理)
小売事業者の不足傾向を示す広域過不足率の公表案と、インバランス料金へ反映した場合の価格試算を提示しており、需給管理シグナルと料金算定の将来設計を具体化する。料金反映は決定事項ではなく、2026年10月以降の実績を見ながら検討する段階である。

事業上の確認点
小売・BGは、広域過不足率の公表だけの場合とインバランス料金へ反映される場合を分け、調達行動、リスク限度額、インバランス予算への感応度を確認する必要がある。

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掲載 2026-08-26|発表内容は本文・原典で確認

8月26日受渡しのJEPX、夕方に西日本のエリア価格が55円台

JEPXの公式スポットデータを集計すると、8月26日受渡しのシステムプライスは日平均25.73円/kWh、最高50.01円/kWhだった。時刻コード34~38では、中部・北陸・関西・中国・四国・九州のエリア価格が55.23円/kWhに達し、北海道・東北・東京との分断が表れた。

制度との関係(編集上の整理)
GCは計画変更の締切です。エリア・受渡時刻ごとの過不足電力量と単価を対応付け、BG委託契約の負担者を確認します。

事業上の確認点
スポット依存度の高い小売・BGは日平均だけでなく、太陽光出力が下がる夕方の30分別原価とエリア値差を管理する必要がある。時間前調達、需要抑制、蓄電池放電を同じシナリオで比較し、点灯帯の実効ヘッジ率を確認したい。

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掲載 2026-08-14|発表内容は本文・原典で確認

JEPX時間前取引、7月の1日平均量と件数が月次最高

JEPXの時間前市場データを月次集計すると、2026年7月の1日平均約定量は約2,926万kWhで前月比19.0%増、1日平均約定件数は1万1,795件となり、いずれも過去最高となった。期間中の最高約定価格は7月22日の152.73円/kWhだった。数値は取引所の公表データからの集計であり、価格上昇の要因分析は含まない。

制度との関係(編集上の整理)
GCは計画変更の締切です。エリア・受渡時刻ごとの過不足電力量と単価を対応付け、BG委託契約の負担者を確認します。

事業上の確認点
時間前市場の利用拡大と価格の振れを踏まえ、小売事業者とバランシンググループは30分単位の需要予測、発電停止時の代替調達、入札上限、インバランス回避効果を一体で検証する必要がある。

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掲載 2026-07-24|発表内容は本文・原典で確認

東京のインバランス料金、7月22日夕方に200円/kWh

一般送配電事業者の公式公表データでは、7月22日16時30分~17時の東京エリアで余剰・不足インバランス料金がともに200円/kWhとなった。全国需要の日量に関する報道値は用いず、公式料金実績に絞った。

制度との関係(編集上の整理)
GCは計画変更の締切です。エリア・受渡時刻ごとの過不足電力量と単価を対応付け、BG委託契約の負担者を確認します。

事業上の確認点
小売・BGはスポット価格だけでなく、需要予測誤差が生むインバランス費用をストレステストする必要がある。夕方の時間前補正率と必要運転資金を重点管理したい。

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掲載 2026-07-23|発表内容は本文・原典で確認

東京の予備率5%割れ見通し、広域機関が自家発増出力を要請

広域機関は7月22日、東京エリアの広域予備率が5%を下回る見通しを受け、16時30分~17時30分の自家発焚き増しを要請した。JEPX会員には増発分の時間前市場への入札と、未約定時の運転継続も求めた。

制度との関係(編集上の整理)
GCは計画変更の締切です。エリア・受渡時刻ごとの過不足電力量と単価を対応付け、BG委託契約の負担者を確認します。

事業上の確認点
自家発の供給力価値が安定供給局面で顕在化した。需要家と小売は燃料費、追加運転費、環境規制、託送契約上の費用取扱いを事前に整理したい。

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データから見る背景

広域予備率・日内最低

最新の公表値を確認中

東京を含む広域ブロック・公表計画

需要・供給力の公表計画であり実績ではありません。価格との同時性は因果を示しません。

対象期間・地域を選んで見る → · 定義・出所

研究から得られる補助線

2022年冬・2023年夏の家庭・事業者アンケートを一般送配電事業者の需要データ等と組み合わせ、節電、下げDR、上げDRの効果を分析しています。|公表 2026-07-31|過年度報告書の新規公表 対象年度 令和5年度

電力の需要管理を高度化する

研究が示すこと(掲載済み要約)
下げDRは分析した3プログラム全てで消費低減、上げDRは2プログラム全てで需要創出を確認し、参加者拡大と対象・インセンティブ設計が総効果を左右すると整理しています。

この制度で考える問い
自社のDRは、どの時間帯の何kWを、どの顧客層から、いくらの獲得費で動かす設計になっているか。

前提・限界
令和5年度事業の報告書が2026年7月31日に新規公表されたものです。需要データは主に2023年9月までで、個別プログラムのサンプルと条件にも依存します。

著者・原典・実務との接点 →
マカオの充電記録10,040件とNYISO価格を組み合わせ、EVの限界機会価値に基づく5分粒度の入札を31日間検証しています。|公表 2025-10-01|プレプリント(査読前)

EVアグリゲーターの短時間予測とリスク別入札

研究が示すこと(掲載済み要約)
限界機会価値から段階的な価格・数量入札を作る方式は、検証条件で無制御充電より費用を抑えました。完全予測を仮定した感度分析では、直近30~60分の価格情報が削減余地の多くを占め、リスク回避を強めると積極的な充放電と劣化費用が減りました。

この制度で考える問い
実際の接続セッションとV2G同意率を使い、30~60分先の更新でどこまで収益と顧客制約を両立できるか。

前提・限界
マカオの行動データとNYISO価格を組み合わせた仮想検証で、価格分布、車種、充電出力、双方向充電率に強い仮定があります。短期予測効果は完全予測を使う上限評価で、査読前の研究です。

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関連する研究をすべて見る(4件)
公開エリア需給実績と気象庁の全球モデル(GSM)の予測値を用いた回帰モデルによる誤差特性分析。説明しやすいモデルで、最良の予測精度や現場運用の確認を目的としていない。|公表 2026-05|基礎研究

予測誤差は、需要・再エネ・地域のつながりまで確認する

研究が示すこと(掲載済み要約)
中部・関西の2024年11月から1年間を対象としたモデル分析では、需要と残余需要の予測誤差は、太陽光・風力出力の予測誤差より地域間で連動しやすかった。

この制度で考える問い
需要予測・計画管理で地域間の誤差相関を確認する基礎モデルです。予測時刻のデータ可用性と基準モデルの調整に留保があり、自社BGの実運用精度やインバランス費用の削減を示しません。

前提・限界
2エリア・1年間の単純モデルによる特性分析で、実運用の精度や収益を検証したものではない。分析上の0時には未配信の気象予報を利用し、季節基準モデルの一部をテストデータで調整している。気温予測誤差が地域間の連動を生むという説明は仮説である。

著者・原典・実務との接点 →
Macarthur Wind Farmの140基を対象に、5分先の出力をLiDAR-CFD、SCADA線形モデル、AEMOの運用予測で比較。2025年1月の予測生成率は56%と58%、共通部分は38%。共通部分のRMSEは線形5,622kW、LiDAR6,283kW、AEMO7,084kW。統計誤差の順位と費用試算の順位は一致しなかった。|公表 2026-09-28|

予測モデルは、誤差と費用を同じ対象時間で比べる

研究が示すこと(掲載済み要約)
豪州の風力実証では、同じ時間帯の予測誤差が最も小さいSCADA線形モデルより、LiDARを使うモデルの方がFCAS費用の試算で有利になった。比較は2025年1月のうち、両モデルの予測がそろう38%の5分枠に限られる。

この制度で考える問い
予測誤差と精算費用を同じ評価時間で比較するための実証事例です。共通データは1か月の38%で、豪州の当時のFCAS費用による年換算試算です。日本のインバランス費用の削減実績や現行豪州市場の再評価とは区別します。

前提・限界
140基を持つ一つの風力発電所で、1か月の共通部分だけを評価した実施者報告。FCAS費用は当時のCauser Pays係数による年換算推計で、通年の節約実績ではない。2025年6月導入の新しい費用回収方式で再評価が必要と本文は明記する。LiDARの継続管理費は別途定量化されていない。

著者・原典・実務との接点 →
この制度に関する研究一覧 →
当サイトの解釈・検討する問い

価格抑制の対象と将来の不足信号を分ける

受渡日ごとに適用される算定式と公表単価を管理し、自社の不足量・余剰量・委託契約を同じ30分単位で照合します。市場調達の高値が続く場合の資金負担と、補正料金の上限が変わる条件を分けて試算します。

成り立つ条件・限界
国の改正説明と、広域過不足率の試算・未決定案を区別します。個社の精算は適用資料・公表単価・BG契約で確認します。

次に確認すること
自社の予測誤差が大きい時間帯で、現行の補正条件と将来案を分けた損失試算、時間前調整、精算検証ができていますか。

解釈の確認日:2026-10-02
この解釈の根拠を確認制度の現在地と一次資料へ戻る
主な審議会・検討会電力・ガス取引監視等委員会/一般送配電事業者
直近の確認事項広域機関9月29日資料/国の改正説明/沖縄電力9月28日適用開始案内
今回の変化10月算定見直し、累積価格閾値制度、広域過不足率の未決定案を分離。200円の試算を現行上限と誤読しない解説へ

期限・節目

一次資料

本ページは公開された一次資料を実務向けに整理したもので、法的助言ではありません。対応時は最新の法令・告示・ガイドライン・公式資料をご確認ください。